急務!法対応(第8回)消費税率アップ待ったなし

法・制度対応

公開日:2019.03.15

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 2019年10月の消費税の税率アップが迫ってきた。2019年度へと年度が替われば、残り時間は半年を切る。過去に延期された経緯もあるので100%とはいえないが、今度は実行される可能性が高い。経営者は、2019年10月までに対応を完了させなければ、以降の業務に支障を来す。準備は間に合うだろうか。

 東京商工リサーチが、消費増税予定日の1年前に当たる2018年10月に実施したアンケート調査では、消費税増税に対して「準備していない」という回答が全体の6割を占めた。企業規模別にみると、大企業での回答は42.9%だったのに対して、中小企業では63.3%に上る。中小企業の対応には遅れが目立つ。

 政府は、軽減税率に対応したレジの導入や、システム改修を支援する補助金を用意するなど、中小企業の消費税率アップ対策を後押ししてきた。しかし、補助金の申請件数は、想定を下回っているのが現状だ。迫る期限を前に、事業者の動きは鈍い。

 今回、消費税の税率が8%から10%へ引き上げられる。それとともに、低所得者層への配慮から、「酒類・外食を除く飲食料品」と「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」を対象に、消費税の「軽減税率制度」が実施される。

 これが、これまでの消費税の税率アップとは異なる点だ。多くの事業者にとって、対策が必要になる大きな要因だ。同じ食品でもテークアウトすれば8%の軽減税率の対象になるが、店内の飲食設備で食べると「外食」となり10%の消費税がかかる。このような面倒な状況になるのは、すでに多くの人が耳にしているだろう。軽減税率の対象と対象外の両方の商品を扱う店舗の場合、対応は不可欠だ。複数税率に対応したレジの導入や、システム面からサポートがなければ、商品管理や申告・納税に甚大な影響が及ぶ恐れがある。

 一方、中小企業の中でも、飲食に関連する商品の提供がない企業は大きな影響はないのか。「これまでのように8%から10%に消費税が上がっても、請求書の消費税率を変えればよいのでは」などと思っていないだろうか。

「飲食以外の企業は無関係」はウソ…

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執筆=岩元 直久

【MT】

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