ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
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公開日:2018.02.09
パソコンやスマートフォンをマルウエア(コンピューターウイルス)の脅威から守る代表的な手段がウイルス対策ソフトだ。しかし「それだけでは不十分」との声がよく聞かれる。いったいどう不十分なのか、検証してみよう。
ICT機器のセキュリティを考えるとき、真っ先に思い浮かぶ「ウイルス対策ソフト」。システムに侵入するマルウエアを検出、除去するこのソフトは、OS標準装備のものを含めるとほぼ普及していると思われる。
ウイルス対策ソフトの歴史は、パソコンが市場に出回り始めた1980年代に遡る。初期のマルウエアは「特定の日にメッセージを表示する」といった単純なものが多く、現在のように深刻な脅威としては認識されていなかった。
しかし、1990年代に入ってインターネット利用が始まり、パソコンの普及が本格化するとともに状況は変化する。それまで主にフロッピーディスクを使っていたデータのやり取りがメールで可能になる半面、感染拡大に直結した。ネットワークに接続したパソコンの増加は、情報漏えいの危険性を一気に増大させた。
マルウエアの性質も変化した。Word、Excelなど広く使われるソフトの機能を悪用した「マクロウイルス」や、自身を複製して増殖する「ワーム」、外部からコンピューターを操作する「バックドア」といったさまざまな種類のマルウエアが作られた。2000年代に入ると毎日のように新種が出現する。一部を改変した亜種も急増する。このため、ソフト開発メーカーはウイルス定義の更新に忙殺されることとなった。
現在もこの状況は変わらない。マルウエアは日々巧妙化、悪質化している。最近もパソコン内のデータを暗号化して高額な復旧費を要求するランサムウエア(マルウエアの一種)が猛威を振るったが、これはマルウエアが本格的な犯罪に使われるようになった証しといえる。
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執筆=林 達哉
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