脱IT初心者「社長の疑問・用語解説」(第82回)
ブルーライト対策にはうな重?
公開日:2018.02.09
パソコンやスマートフォンをマルウエア(コンピューターウイルス)の脅威から守る代表的な手段がウイルス対策ソフトだ。しかし「それだけでは不十分」との声がよく聞かれる。いったいどう不十分なのか、検証してみよう。
ICT機器のセキュリティを考えるとき、真っ先に思い浮かぶ「ウイルス対策ソフト」。システムに侵入するマルウエアを検出、除去するこのソフトは、OS標準装備のものを含めるとほぼ普及していると思われる。
ウイルス対策ソフトの歴史は、パソコンが市場に出回り始めた1980年代に遡る。初期のマルウエアは「特定の日にメッセージを表示する」といった単純なものが多く、現在のように深刻な脅威としては認識されていなかった。
しかし、1990年代に入ってインターネット利用が始まり、パソコンの普及が本格化するとともに状況は変化する。それまで主にフロッピーディスクを使っていたデータのやり取りがメールで可能になる半面、感染拡大に直結した。ネットワークに接続したパソコンの増加は、情報漏えいの危険性を一気に増大させた。
マルウエアの性質も変化した。Word、Excelなど広く使われるソフトの機能を悪用した「マクロウイルス」や、自身を複製して増殖する「ワーム」、外部からコンピューターを操作する「バックドア」といったさまざまな種類のマルウエアが作られた。2000年代に入ると毎日のように新種が出現する。一部を改変した亜種も急増する。このため、ソフト開発メーカーはウイルス定義の更新に忙殺されることとなった。
現在もこの状況は変わらない。マルウエアは日々巧妙化、悪質化している。最近もパソコン内のデータを暗号化して高額な復旧費を要求するランサムウエア(マルウエアの一種)が猛威を振るったが、これはマルウエアが本格的な犯罪に使われるようになった証しといえる。
\ かんたん入力で登録完了 /
執筆=林 達哉
【MT】
企業の情報セキュリティリスク認知調査2023
テクノロジーの進化によって、生産性の向上や多様な働き方の実現などの恩恵がもたらされる一方、サイバー攻撃も多様化・複雑化の一途をたどっています。こうした中、攻撃手法などの情報セキュリティリスクをどれくらい認知しているのだろうか。その最新動向について調査しました。
情報セキュリティ対策意識調査2022
DX推進が企業にとって成長のドライバーとなる中、サイバー攻撃も多様化・複雑化の一途をたどっています。AIやRPAなど各種のICTテクノロジーや、社内外のコミュニケーションを円滑化するクラウドストレージ活用が進む現在、企業における情報セキュリティ対策はどうなっているのだろうか。対策度合いや、脅威に感じるもの、対策をするうえでの課題などの最新動向について調査を行いました。
その対策は効果ナシ!セキュリティの常識を検証する
サイバー攻撃の被害が深刻化し、従来のセキュリティの常識が 崩れ始めています。本当に必要な対策とは何か?情報セキュリティ大学院大学の大久保隆夫教授にお聞きしました。