一度聞いただけではなかなか理解できないIT用語。そんなIT初心者の社長にも、分かりやすく理解できるようにITキーワードを解説する本連載。今回は、聞いたことはなくても、いつも使っている「OS」(オーエス)だ。
「社長、仕事で使っているスマホのOS(オーエス)更新の通知がきています。社長にも連絡がきていませんか」(総務兼IT担当者)
「何、オーエス?もう、そんな時期か。わしが子どもの頃、運動会の応援のかけ声といえば『オー!エス!』が定番だったんだ。君も若い割には、昔のことをよく知っているな」(社長)
「違いますよ。運動会の応援じゃなくて、スマホやパソコンの基本ソフトの呼び名です。OSを更新しないとセキュリティにも影響が出るんです」
「オーエス?セキュリティ?さっぱり分からん」
スマホやパソコンを動かす基本ソフト
OSはオペレーティングシステム(Operating System)の略で、パソコンやスマホ、タブレットなどを動かすための基本となるソフトです。日本語では「基本ソフト」と呼びます。主なOSは、パソコン向けのWindows(ウインドウズ)、Mac OS(マック オーエス)のほか、新たにChrome OS(クローム オーエス)が登場しています。また、スマホやタブレット向けには、iPhone/iPadで使われるiOS(アイ オーエス)や、アンドロイド端末で使われるAndroid(アンドロイド)が知られています。
OSとアプリの関係
※イメージ図です。実際にはもっと複雑なプロセスを経てプログラムが実行される場合があります
Q OSの役割を教えてください…
OSは、複数のアプリが順序立てて動くための交通整理を行っています。例えば、パソコンのアプリを立ち上げてキーボードやマウスを操作すれば、入力した文字が画面に表示されます。このとき、アプリはOSを通して画面に文字を表示させています。なぜOSを通すのかというと、複数のアプリが動作しているときに、整理する存在がいないと優先順位がつけられないからです。いろいろなアプリの動作をOSが管理しているイメージです。
Q OSの更新が必要な理由は何ですか
OSを更新(バージョンアップ)すれば、パソコンやスマホに新機能を追加できます。スマホで新たにアプリを入れる際、「対応OS:○○版以降」といった表記が記載されているケースもあります。新しいアプリは、OSが古いと使えない場合があるのです。
また、古いOSのままだとサイバー攻撃に狙われるリスクが高まります。最新OSに更新すれば、端末のセキュリティを強化できます。ウイルス対策ソフトなどのセキュリティを講じていても、OSの更新時にはセキュリティ機能強化なども含まれるため、更新は必要です。
Q OSの更新に注意点はありますか
OSの種類によって既存のアプリが使えなくなる場合があります。例えばWindowsパソコンの場合、最新OSのWindows 10では、以前のOSのWindows XPやWindows 7用に開発した業務アプリが使えなくなるケースも見受けられました。OS更新の際は、ITサービス事業者などに相談するといいでしょう。
また、OSの更新時には、ダウンロードするデータ量が多くなります。スマホのOS更新はWi-Fiにつないで行ってください。
OSやアプリの管理が手間であれば、オフィスアプリなどはクラウドサービスを利用する方法もあります。今後、新たなOSが提供される場合にも、クラウドサービス側で新OSに対応するので、アプリの切り替えを心配しなくて済みます。
OSの更新には手助けが必要?
「社長、OSが何か、分かっていただけましたか。スマホの設定画面からアップデートできますから、OSの更新を行ってみてください」(総務兼IT担当者)
「ん?オーエスとやらの更新は、君が応援してくれるんじゃないのか」
「オー!エス!オー!エス!応援します」
「応援されてもわしには無理だ。君にSOSを出すから、代わりにやってくれ」
「実は私もOSを更新していいかどうかがよく分からないんです……。業務アプリに影響しそうで……」
(2人で)「SOS!」