次から次へとIT用語が出てくるけれど、実際のところ、よく分からない。そんなIT初心者の社長にも、分かりやすく理解できるようにITキーワードを解説する本連載。今回は、もしかすると使っているかもしれないBluetooth(ブルートゥース)だ。
「ノートパソコンにつないでいるマウスのケーブルが邪魔なんだが、どうにかならないかね」(社長)
「分かりました。Bluetooth対応のマウスにしましょう。ワイヤレスなので快適に使えるようになります」(総務兼IT担当者)
「カタカナばかりで難しいことを言うから頭がこんがらがってきた。ブルブルー……」
「(ここはスルーしよう……)。Bluetoothは無線通信規格です。Bluetoothマウスならケーブル要らずです」
「ブルー…マウス…。何だかブルーマウンテンが飲みたくなったな。君、おいしいコーヒーを入れてくれ」
ワイヤレスでパソコン回りをスッキリ
Bluetoothは近距離の無線通信規格です。接続用ケーブルがないキーボードやマウス、プリンターといったパソコン周辺機器をはじめ、イヤホンやスピーカーといった音響機器などさまざまな対応製品が提供されています。例えば、Bluetooth対応のスマホとイヤホンをつなげば、煩わしいケーブルなしに音楽を聴けます。Bluetooth対応のイヤホンマイクならWeb会議での使用も可能です。
Bluetooth対応機器同士ならケーブルなしで接続できる
Q Wi-Fiとの違いを教えてください…
オフィスなどでの無線通信ではWi-Fiが一般的です。Wi-Fiはバージョンや通信環境によって異なるものの、高速・広範囲の通信、複数端末の同時接続が可能です。一方、Bluetoothの通信速度・通信範囲は、Wi-Fiに比べ低速・狭範囲(短距離)で、対応端末を1対1で接続するのが原則です。また、Wi-Fiに比べて電波の出力が小さく、消費電力が少なくて済むといった特性もあります。
Q Bluetoothの活用法にはどんなものがありますか
Bluetoothは主にノートパソコンとマウス、タブレットと外付けキーボードというようにデバイス同士を1対1で接続する用途で使われます。例えばタブレットでメールなどの文書を作成する際、画面に表示されるソフトウエアキーボードの操作が苦手という人もいるかもしれません。タブレットとBluetooth対応の外付けキーボードを使えば、ノートパソコンと同様の操作性で文書を作成できます。
また、産業用途ではセンサーを使ったIoT機器などとの接続にも適用できます。Bluetoothの電波が届く通信距離(範囲)を考慮した上で検討するといいでしょう。
Q Bluetooth活用に注意点はありますか
スマホとBluetooth対応イヤホンをつないで音楽を聴くといった用途では、それほどセキュリティに気を使わなくてもいいでしょう。しかし、業務で使うとなると話は別です。Bluetooth対応のデバイスに不正接続する攻撃も報告されています。ノートパソコンやタブレットを使わないときには設定画面でBluetooth接続をOFFにしましょう。基本ソフト(OS)や修正プログラムを更新して最新の状態にしておくといったこまめなセキュリティ対策が必要です。
マウスは小さめがお好き
「社長、Bluetoothがどんなものか分かっていただけましたか。わざと、コーヒーと勘違いしないでくださいね」(総務兼IT担当者)
「コーヒーではないのは分かったが、でも、どうやってノートパソコンとマウスをつなぐんだ」(社長)
「接続の設定は私がやりますから、大船に乗った気持ちで任せてください」
「いつも大口をたたくのは君の悪いくせだ。マウスは小さめのを買ってくれ。君のビッグマウスに踊らされてはかなわん」