トップたるものIT分野もマーケティングも理解しなくてはいけないのは分かっているが、なかなかなじめない。そんなIT初心者の社長にも、分かりやすく理解できるようにITキーワードを解説する本連載。今回は、ホームページの売り上げが伸びるかもしれないWebマーケティング手法「SEO(エスイーオー)」だ。
「社長、わが社もそろそろSEOでホームページへのアクセス数を増やしましょう」(総務兼IT担当者)
「なにっ、SOS!ホームページで紹介している商品の売り上げがぱっとしないのは知っているが、SOSを出して助けてもらうほどではないだろう」(社長)
「違いますよ。SOSではなくて、SEO。当社のサイトが検索サービスで上位表示されるように最適化するんです。消費者の目につきやすくなれば、商品が売れるようになるかもしれません」
「SEOだかSOSだか知らんが、売り上げの助け舟になるなら何でもやってみてくれ」
ホームページへの訪問者を増やす施策
SEO(Search Engine Optimization)はマーケティング用語で「検索エンジン最適化」と訳されます。インターネットで何かを調べたり、オンラインショッピングで商品を探したりするとき、Googleなどでキーワードを入力して検索するのが一般的です。検索時にページの上のほう(上位)に表示されるホームページはクリックされる確率が高く、検索結果の順位次第でホームページの閲覧数が大きく変わります。検索されやすいキーワードを選び、そのキーワードに関連するWebページを作成して、検索サービスからのホームページ訪問者を増やすためのマーケティング手法がSEOです。
商品販売サイトの例
Q 中小企業がSEOに取り組むメリットは何ですか…
実店舗の売り上げが伸び悩む一方、オンラインショップの売り上げが伸びた企業も増えているようです。SEOで検索結果の上位に表示されれば、ホームページへの閲覧者が増え、売り上げも増える可能性があります。
「うちは製造業だから、小売業のようなオンライン販売は難しい」という経営者もいるでしょう。しかし、自社の商品・サービスなどをホームページで情報発信し、SEOで検索順位を上げていけば、BtoB分野でも新たな顧客候補がホームページを訪れてくれる可能性が高まります。ホームページを有効活用するためにSEOが必要なのです。
Q SEOは知識がなくてもできますか
検索サービスで自社のホームページを上位表示させるのは簡単ではありません。上位を狙う競合がたくさんいるからです。
まず、検索エンジンに自社のホームページの存在を知ってもらうため、検索データベースに登録してもらいます。次に、どんなキーワードで検索されたら自社のホームページに訪れてもらえるのか、キーワードを決めます。そして、Webページをそのキーワードに最適化させます。
ただ、検索結果の順位はアルゴリズムに従って決められていますが、はっきりとそのアルゴリズムが明かされているわけではありません。どんなキーワードが適切なのかは検索エンジンに関する専門的な知識が必要です。
Q SEOで売り上げがすぐに伸びますか
キーワードの選定以外にもポイントがあります。せっかくホームページに訪問してもらっても、ホームページの作り方に問題があったり、操作が分かりにくかったりすれば、訪問者は購買までたどりつけず、ホームページから離れてしまいます。せっかくのビジネスチャンスを失いかねません。ホームページの内容を見直し、操作性の高いサイトを作るといった施策も必要です。
オリジナルデザインのホームページ制作やSEO、キャンペーンなどを支援する事業者もあります。インターネットを活用したマーケティング活動の強化につなげてみてはいかがでしょうか。
SEOで売り上げアップへ
「社長、SEOを何となく分かっていただけましたか。ホームページを有効活用してこそ売り上げアップも見込めます」(総務兼IT担当者)
「ホームページの担当者は君だったね。ワシの名前で検索したら、会社名すら表示されなかったぞ。それこそSOS、非常事態だ。」(社長)
「社長と同姓同名の人はたくさんいますからね。そんなことよりSEOをやりましょう」
「売り上げが伸びるならやってみるか。会社の行く末を背負(SEO)っているつもりでやりなさい」