ITに詳しくなろうと決意したものの、社員に勧められた用語集を見てすぐ挫折した。そんなIT初心者の社長にも、分かりやすく理解できるようにITキーワードを解説する本連載。今回は、ITのトラブル対応とも関係する「オンサイト」だ。
「社長、会社で使っているネットワーク機器を更新するので、併せてオンサイトの保守サービスを頼んでもいいでしょうか」(総務兼IT担当者)
「何、サイトの保守サービスだって。ホームページのサイトに何で保守が要るんだ」(社長)
「オンサイトはWebサイトのことではありません。IT機器が故障したときなど、専門技術者が現場に訪問して修理したりしてもらえるサービスのことです」
「確かに専門家に来てもらえれば安心だ。ただ、タダだといいんだけどね」
オンは訪問、オフは遠隔。使い分けが大切
サイトは場所や敷地、現場などを表す言葉です。例えばWebサイトはインターネット上で情報を提供する場所を意味します。IT分野でいうオンサイトは、オフィスや店舗、工場などの現場をシステム会社などの技術者が訪問して障害対応などを行うことを言います。ちなみに、現場へ行かずに電話や遠隔操作などでサポート・対応することをオフサイトといいます。
Q オンサイトはどんなサービスなのですか…
パソコンやシステム、ネットワーク機器などのITは、使い続けていると故障などのトラブルが発生する場合があります。ITの不具合は業務にも大きな影響を与えるため速やかな回復が必要です。ITの専門家がいない企業の手助けとなるのがオンサイトのサポートです。専門技術者が企業(現場)へ駆けつけて機器・システムの修理・交換などに対応してくれます。いわば、ITの“かかりつけ医”のような存在です。
Q オンサイトサービス利用時の留意点はありますか
例えば、インターネットにつながらなくなった場合、その原因がパソコンにあるのか、ネットワーク機器にあるのかによって対応が異なります。オフサイトでの対応が可能なこともありますし、物理的な機器交換の場合はオンサイトの対応が必要です。両方に対応しているサービスがよいでしょう。
Q オンサイトサービス選定のポイントは何でしょうか
ITのトラブル対応は専門スキルが必要です。故障だけでなく、パソコンに新しいアプリを入れたものの操作方法が分からないなどの問題が起こることもあり、幅広い対応力が欠かせません。オンサイト、オフサイトにかかわらず、オフィスのIT環境全体をサポートしてくれるサービスを選ぶといいでしょう。土日・祝日・夜間の対応は可能かなど、自社の業務環境に合っているかもポイントとなります。ITサービス事業者に相談してみましょう。
プライベートもオンとオフの切り替えが大切
「社長、オンサイトの意義を分かっていただけましたか。サポートサービスを入れておけばトラブルにもあわてず、安心して仕事ができます」(総務兼IT担当者)
「あわてているのはいつも君じゃないか。それより、妻の機嫌を直すサポートサービスはないものかね。君、わしに恩を感じているだろう。オンサイトで妻の機嫌を取ってきてくれんか」
「私はオン、オフの切り替えを大切にしているので無理です。社長、がんばってください」