脱IT初心者「社長の疑問・用語解説」(第82回)
ブルーライト対策にはうな重?
公開日:2017.10.04
2017年5月、世界中に広がったランサムウエア「WannaCry」は、各地に甚大な被害をもたらした。英国では国民保険サービスのコンピューターが被害を受け、病院・医療機関は患者情報へアクセスできなくなり、手術や救急患者の受け入れキャンセルが相次いだ。日本でも、日立製作所のシステムがWannaCryに感染し、業務に大きな支障を来したという。強固なセキュリティ対策を施しているはずの国営サービスや大企業が、なぜマルウエアに感染したのか。
「水と安全はタダ」といわれた日本でも、近年企業のセキュリティ意識は高くなる一方だ。これは中小企業も例外ではない。2017年5月に独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が発表した「中小企業における情報セキュリティの実態と中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」によると、コンピューターウイルスを「脅威と感じている」という小規模企業や中小企業は89.1%(同ガイドラインP4)。実際に「ウイルス対策ソフト・サービスの導入」を実行している企業は全体で80.4%(P6)と、マルウエアやウイルスに対する防御意識は高い。
それでも悪意あるプログラムによる被害は根絶できない。場合によっては今回のランサムウエアのように世界中に大きな爪痕を残してしまう。その最大の原因は、これまでのセキュリティ対策がほとんど「防御」を主軸にしてきたからだ。
\ かんたん入力で登録完了 /
執筆=岩崎 史絵
【MT】
セキュリティ脅威を招く落とし穴
企業の情報セキュリティリスク認知調査2023
テクノロジーの進化によって、生産性の向上や多様な働き方の実現などの恩恵がもたらされる一方、サイバー攻撃も多様化・複雑化の一途をたどっています。こうした中、攻撃手法などの情報セキュリティリスクをどれくらい認知しているのだろうか。その最新動向について調査しました。
情報セキュリティ対策意識調査2022
DX推進が企業にとって成長のドライバーとなる中、サイバー攻撃も多様化・複雑化の一途をたどっています。AIやRPAなど各種のICTテクノロジーや、社内外のコミュニケーションを円滑化するクラウドストレージ活用が進む現在、企業における情報セキュリティ対策はどうなっているのだろうか。対策度合いや、脅威に感じるもの、対策をするうえでの課題などの最新動向について調査を行いました。
その対策は効果ナシ!セキュリティの常識を検証する
サイバー攻撃の被害が深刻化し、従来のセキュリティの常識が 崩れ始めています。本当に必要な対策とは何か?情報セキュリティ大学院大学の大久保隆夫教授にお聞きしました。