ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2018.02.14
年代別に能力を高めて、業界内で名が知れ渡る存在になる。つまり、「ナンバーワン人材」のイメージを社長がしっかりと描いて、社員に伝えることができたとします。でも、これだけではナンバーワン人材のゴールのイメージは見えたものの、そのゴールにたどり着くための戦略がはっきりしませんよね。
そこで、次のステップとして、人材育成に必要な3×3=9つの視点を社長は持ってほしいと思います。これを私は「人材育成の3・3戦略」と名付けています。
3・3戦略とは、意識改革、機能向上、行動変革の3つの基本視点について、それぞれ3つのポイントを踏まえて人材を育てる方法です。意識が変わり、機能(能力)が向上し、行動が変わった先に自分で考えて動く自創社員が生まれると説明すれば分かりやすいでしょうか。
1つ目の意識改革のカギは、(1)数値計画を必ず達成するため、チャレンジ精神を持って仕事をする(2)仕事を面白く楽しく(以下、愉しく)するために本来のセルフマネジメントを実践する(3)自らの行動に自覚と責任を持つために常にプラスの発想を心がける――です。まとめると、明るく前向きな姿勢を貫くということです。
2つ目の機能向上では、(1)確実に業務を遂行するために「相(談)・連(絡)・報(告)」(報・連・相でない理由は下記コラム参照)を繰り返す(2)1人2役、3役をこなすために、自らの業務範囲を拡大する(3)時短(時間短縮)を推進するために、IT機器を駆使して効果的に仕事する――ことを重視します。素早く正確に質の高い仕事ができるスキルを身に付けるのに必要な視点です。
「報・連・相」ではもう人材は育たない。部下との対話は「相・連・報」の順で
「報(告)・連(絡)・相(談)」(ホウレンソウ)は、社長や上司と部下が仕事の意思疎通を図る際の基本とよくいわれます。しかし最近、厳密には「相・連・報」の順ではないかと私は考えています。報・連・相と表現した場合の報告には、トップダウンのイメージがつきまとうように思います。社長や上司がとにかくまず仕事を指示する。その仕事について、部下がどこまで進めたかを真っ先に知らせてもらうというニュアンスが含まれている気がするのです。こうした風潮が社内に広がってしまうと、指示待ち社員が増えかねません。自分で考えて行動する自創社員をつくるには、むしろ社長や上司が部下の相談に乗ることから始めるべきだと思います。
そして最後の行動変革では、(1)自らを成長させるために良い習慣をつくり、段取りよく仕事をする(2)目標を明確にするために数値を示し攻めの行動をする(3)目標達成のために上司は必要に応じて指示、チェック、アドバイスをする――点に注力します。実際に行動する際に押さえておくべきポイントです。
短期間でこの9つの視点すべてを社長が持つのは難しいかもしれません。でも、自創社員を育てる基本として忘れないでほしいですし、社員に明示してほしいと思います。3・3戦略を念頭に置きながら年間目標から行動計画に落とし込むイメージです。
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著者=東川 広伸(ひがしかわ・ひろのぶ)
1969年大阪府生まれ。大阪産業大学を中退し、電気設備工事会社に勤務した後、リクルートの代理店に入社し、営業職で1年目に社長賞を受賞。その後、化粧品会社やインテリア商社に勤務。2004年、自分で考えて動く社員を育てる「自創経営」の創設者で、父の東川鷹年氏による指導の下、自創経営センターを設立、所長に就任した。これまで中小企業を中心に9000人以上の社員を成長させてきた。
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お金をかけずに“ざんねん社員”を育てるルーティン