重要情報の扱いを考え直す(第1回)自治体から民間へ、情報セキュリティ強化待ったなし

脅威・サイバー攻撃

公開日:2017.10.25

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 情報セキュリティ強化は、あらゆる企業・組織にとって重要な課題だ。これを実感する1つの契機になったのが、マイナンバー導入に伴う自治体の取り組みだったのは記憶に新しい。現在、その中で培われた技術やノウハウを生かした情報システム再構築の取り組みが、民間企業でも加速しつつある。

 日本に居住するすべての人に12桁の個人番号を割り当て、社会保障、税、災害対策といったさまざまな分野で活用するのを目的とするマイナンバー制度。2016年1月には行政手続きでの利用がスタート、2017年7月からは情報連携(異なる行政機関の間で情報をやり取りすること)の試行運用が始まっている。

 氏名、住所はもちろん、所得や社会保険加入状況といった国民のさまざまな情報がひも付けられるマイナンバーは、守られるべき個人情報の中でも最たるものといえる存在だ。導入に先駆け、総務省では、運用を行う地方公共団体の情報セキュリティの抜本的な強化対策を目的とした自治体情報セキュリティ対策検討チームを発足し、検討を重ねた。そして2016年3月、自治体情報システムの強靱(きょうじん)性向上と自治体情報セキュリティクラウド構築を目的とする、総額236億円に上る補助金の交付を行った。

 このうち、システム強靭性向上は「ネットワークの分離」を主軸とする。具体的にはマイナンバーを扱う系統と、インターネットに接続する系統を切り分ける。それによってマイナンバー系統の情報漏えいのリスクを低下させるわけだ。また、自治体情報セキュリティクラウドは、複雑化する各自治体のシステムを都道府県単位で集約し、一元的な対策を実現するのを目的とする。

補助金による各自治体の強化策…

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執筆=林 達哉

【MT】

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