ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2018.03.22
飲食店や物販・サービス店、宿泊施設などの経営者にとって、インバウンド需要の取り込みは大きなビジネスチャンスになる。訪日外国人の増加は、とどまることを知らない。2013年に1000万人を超えた後も増加を続け、2017年には3000万人に迫るところまで来ている。
「しかし…」とつぶやく声も同時に聞こえてきそうだ。訪日外国人を取り込むには、外国語のコミュニケーションが欠かせないからだ。英語への対応も難しいのに、それだけでは済まない。英語を母国語としないアジア各国の訪日客が多い。韓国語、中国語といったアジア各国の言語への対応も求められる。
こんな難題の解決の可能性を見せてくれるのが、実はIT(情報技術)ツールである。近年ではITの進歩により、通訳を自動的に行ってくれる情報機器やアプリが多く登場している。スマートフォンや手のひらに乗るサイズの通訳機器を使うだけで、日本語と外国語を翻訳してくれるような時代が到来している。
一昔ならばSFの世界のような話だが、機器が仲立ちとなって外国人とスムーズに話をすることが現実に可能になっている。飲食店や物販・サービス店を営む中小企業でも、手軽に購入できて、簡単に使いこなせる。一番手軽なのは、最近は多くの人がすでに使っているスマートフォンを使って、アプリで通訳するタイプ。それより少し費用は掛かるが、かなり安価な通訳専用機器も登場している。それぞれについて、長所と短所をチェックしてみたい。
まずはスマートフォンの翻訳アプリ。すでに米グーグルが提供する「Google翻訳」のお世話になったことがある方も少なくないだろう。日本発のアプリでは、NTTドコモの「はなして翻訳」などが代表的だ。いずれも、音声で入力した言語を翻訳し、他の言語の音声出力が可能だ。
スマートフォンのアプリを使うタイプは、スマートフォンを持っていれば初期コストがほとんど掛からない。使用中のスマートフォンにアプリを入れるだけで、多言語の翻訳がすぐに可能になる。スマートフォンに慣れた世代の従業員なら、使い方も迷わないだろう。
ただ、短所も少なくない。スマートフォンのアプリを使う場合、どうしても立ち上げるまでにいくつかのステップがいる。来店した訪日外国人客を前にして、スマートフォンのロックを解除して、アプリを探して、起動して、「さあお話しください」では、忙しい店舗などでは使うのは難しい。
従業員の個人所有のスマートフォンを、客に手渡してしゃべってもらうのも抵抗があるだろう。スマートフォンのマイクやスピーカーは、通訳用に設計しているわけではない。騒がしい店舗では、音声の聞き取りや、翻訳した音声の再生に難があるケースも考えられる。また、スマートフォンに慣れた従業員、というのが条件になる。
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執筆=岩元 直久
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