法人でOffice 365としてExcelを使っている場合や、個人でもOffice 365 Soloやプリインストールで使っている場合は、自動的にアップデートされ、機能が追加されていく。便利になるのはよいが、2018年10月のアップデートでは、メニューのデザインが変わったり、新規にExcelを起動したときの画面デザインも変わったりしている。
変化しても「自分の使い方」ができるようにしておきたい。ちょっとした設定の変更でイライラを解消したり、時短できたりする。ここでは、筆者が特に重宝しているイライラ解消&時短設定を紹介しよう。
起動直後に開くスタート画面をスキップする
Excelを最初に起動するとき、テンプレート一覧画面や最近使ったアイテムの一覧などが表示される。これをスタート画面という。この画面もつい最近、デザインがガラッと変わった。この画面にイラっとしたことはないだろうか? 最近使ったファイルを開く場合、筆者はエクスプローラーの当該ファイルをダブルクリックして開く。Excelを起動してからファイルを選ぶということはまずない。さらに言うと、テンプレートもまず使わない。Excelのアイコンをたたいて開くときは、たいがい白紙のマス目になにか入力したいときだ。そんなときにいちいちスタート画面が開き、そこから「空白のブック」をクリックするのが煩わしくてイライラする。起動したらすぐに真っ白な新規画面が開いてほしい。
この画面が非常に煩わしく、ストレスの元に
こう思う人たちは多いのではないだろうか。時間にすれば多分1~2秒程度だが、時間だけの話ではない。たった1~2秒でも、案外ストレスになるものだ。そのストレスを解消するには、オプションで設定を変更すればよい。
1枚目の画面(スタート画面)から「オプション」をクリックする。Excel起動中であれば、「ファイル」メニューからオプションを選択する
「基本設定」の一番下「このアプリケーションの起動時にスタート画面を表示する」のチェックを外す
たったこれだけ。これでスタート画面をスキップしてすぐに新規画面を開くことができる。筆者はこの設定を知ってから、ものすごくExcelを起動するときの気分が良くなった。
クイック分析オプションボタンを表示しない
クイック分析オプションボタンとは、複数のセルを選択したときに右下に出るボタンのこと。そのボタンからグラフを作成したり、条件付き書式のデータバーを表示したりできる便利なショートカットボタン。
これがクイック分析オプションボタン。これをクリックするとグラフ作成や条件付き書式の強調表示などが即座に実行できる
だが、筆者はまずこのボタンを利用しない。結局、グラフを作る場合は「挿入」メニューからたどるし、データバーを表示するときは「条件付き書式」メニューから実行する。
そういった人には、このボタンは邪魔でしかない。数字や文字がちょうど隠れてしまったりすると、イライラはマックスとなる。「Esc」キーを押せば消えるが、まったく不要なら、このボタンを最初から表示しないように設定しよう。
Excelのオプションダイアログボックスを開き、「選択時にクイック分析オプションを表示する」のチェックを外せばよい
オートフィルオプションボタンを一時的に消す方法…
オートフィルオプションは、データをドラッグしてコピーしたりすると、右下に出てくるボタンのこと。コピーしたデータを「連続データ」に変更したり、書式を省いた形でコピーしたりできる、非常に便利なボタンだ。
これも必要ないという場合は、Excelのオプションダイアログボックスの「詳細設定」を開き、「切り取り、コピー、貼り付け」項目の「コンテンツを貼り付けるときに[貼り付けオプション]ボタンを表示する」のチェックを外せばいい。
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「詳細設定」の「コンテンツを貼り付けるときに[貼り付けオプション]ボタンを表示する」のチェックを外す[/caption]
しかしこちらはさすがに使う機会が多いので、非表示にすると不便だ。だが、このボタンもクイック分析オプションボタンと同様にデータが隠れてしまって困ることがある。しかもこちらのボタンはEscキーでは消えないので余計に厄介だ。
そんなときの裏ワザを紹介しよう。ボタンが表示されて煩わしいときは、全然関係ないセルをダブルクリックして編集/入力可能状態にする。すると、ボタンが消える。別のセルをクリックすると入力状態は解除される。
図形のデフォルトの設定を変更する
Excelはだいぶ以前から、図形を挿入すると「青の塗りつぶしに細い青の枠線、文字は白抜き」が初期値として設定されている。筆者の場合、この設定をそのまま使うことはほとんどない。毎回毎回同じように設定を変更するのは骨が折れる。
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これがデフォルトで設定されている色だ[/caption]
このデフォルトの設定を変更する方法がある。まずは、自分の好みの(よく使う)設定に変更する。そして図形の枠線を右クリックして「既定の図形に設定」をクリックする。すると、そのファイルを開いている間はずっとその設定で図形を挿入することができる。線についても同様だ。直線や矢印付きの線を描き、自分の好みに設定を変更したら、「既定の線に設定」を選択すればよい。
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好みの設定に変更したら、枠線を右クリックして「既定の図形に設定」を選択する[/caption]
ただし、このデフォルト設定が使えるのはそのファイル内だけだ。常にその設定を使用したい場合はちょっとした操作が必要だ。
まず、図形や線の設定を好みに変更して既定に設定したら、図形や線を削除する。まっさらな状態にして「Book.xltx」というファイル名で任意のフォルダーに保存する。「.xltx」という拡張子はテンプレート用だ。そしてそのファイルを以下のフォルダーにコピーする。
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Microsoft\Excel\XLSTART
次回からは、Excelを起動して図形や線を描画すると、自分の設定した色や線で描けるようになる。元に戻したいときは、そのファイルを削除すればよい。
このように、初期値を自分のよく使う設定にカスタマイズすれば、ストレスが減るだけでなく、ちりも積もればかなりの時短になる。ぜひ試してみてほしい。
※第14回は2019年2月4日(月)公開