全国の支店の売上金額を、地図の色の濃淡で塗り分けたり、地域の特徴を示すような事象を地図で示したりできる便利な機能がExcelにはある。グラフ機能の一部で「塗り分けマップ」というものだ。これはExcel2016の途中で追加された新しい機能なので、Excel2016の永続ライセンス製品では利用できない。サブスクリプションタイプまたは2019で利用できる。
では、具体的な操作方法をみていこう。まずはデータを用意する。これは、棒グラフや折れ線グラフを作成する際と同様だ。ここでは、「肉じゃがといえば牛肉か豚肉か」を調査した結果を表にしている。
現状では世界地図が表示されているため、調査結果は確認するにはほとんど意味をなさない。そこでこれを調査した範囲、すなわち日本地図に変更しよう。まずはグラフの地図が描かれている部分の任意の位置をダブルクリックして、画面右側に「データ系列の書式設定」を開く。地図が描かれている部分ではない部分をダブルクリックすると「グラフエリアの書式設定」など別の画面が開くので、「データ系列の書式設定」が開いているのをしっかり確認しよう。そして、「系列のオプション」で下記の通りに設定すればよい。
[caption id="attachment_35993" align="aligncenter" width="600"] 地図をダブルクリックすると画面右側に書式設定画面が開く[/caption]
[caption id="attachment_35994" align="aligncenter" width="600"] 「マップ投影」では「メルカトル」を、「マップ領域」で「データが含まれる地域のみ」を選択する。「マップラベル」は「なし」のままでよい[/caption]
すると、日本だけの地図になり、色分けがはっきり分かるようになる。
塗り分けの色を変更する
グラフタイトル部分をクリックしてタイトルを入力したが、ここでは、肉じゃがに入れる肉が「豚肉」なのか「牛肉」なのかを分かりやすく表したい。現在は「牛肉」がグレーで「結果が拮抗」がオレンジ色となっているため、これを逆にした方が分かりやすくなる。凡例が表示されている部分をクリックして「凡例項目の書式設定」画面を開き、そこから色を変更する。
[caption id="attachment_35995" align="aligncenter" width="600"] 「凡例」の部分をクリックし、「凡例項目の書式設定」画面を開く[/caption]
[caption id="attachment_35996" align="aligncenter" width="600"] 「牛肉」部分をクリックし、「塗りつぶしと線」画面で「塗りつぶし(単色)」を選択して色を設定する[/caption]
[caption id="attachment_35997" align="aligncenter" width="600"] 同様の操作で「結果が拮抗」をグレーに変更する[/caption]
このような色の塗り分けにすると、「東日本では豚肉、西日本では牛肉がメインで使われており、ポツポツと結果が拮抗している県が存在する」という結果が視覚的に瞬時に確認できる。
※ここで使用しているデータは「Jタウンネット」から提供を受けている
https://j-town.net/research/results/301904.html
※解説用画面はOffice 365のExcelを使用。一部メニュー名などが異なる場合がある
※第35回は2020年11月2日(月)公開
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