前回、エクセルで巨大な表を扱うときは、見出しを固定したりウインドウを分割したりという機能を使うと効率的だと説明した。今回は「そこまでするほどじゃないけど、もうちょっと表示できたらなぁ……」と思うときや、「もうちょっとで一画面に収まるのに……」というときに使えるテクニックを紹介しよう。
画面の倍率を調整する
大きな表を一つの画面で表示したいとき、まず考えられるのは画面表示の倍率を縮小することだ。表が全部収まる程度に縮小して、数字などの内容が確認できればこれが一番手っ取り早い。
表は「2023年8月」まであるが、表示倍率が100%の状態では「2023年5月」までしか見えない
スライドバーの「-」の部分をクリックすると表示倍率が縮小される
1回のクリックで10%縮小する。ここでは2回クリックして80%にすると表のすべてが表示できた
これで表が一画面ですべて確認できるようになる。表示が小さすぎて見づらい、という場合は、次に紹介する方法で縦方向の表示領域を広げてみよう。
リボンを非表示にする
エクセルの画面上部にある「フォント」、「配置」などさまざまな機能が表示されている領域をリボンと呼ぶ。これを非表示にすると、画面の縦領域を広げられる。
リボンの右下にある「リボンの表示オプション」ボタンをクリックし、「タブのみを表示する」をクリックする
リボンが消え、表示が4行分広くなった
リボンを非表示にすることで、19行目まで見えていたものが23行目まで見えるようになった。
リボンを再表示する
リボンの表示/非表示は簡単に切り替えることができる。各種機能を利用したいときは、タブをクリックするとリボンが一時的に表示されるので、そこから利用したい機能を選択する。
任意のタブをクリックすると、リボンが表示される
先ほどと同様、「リボンの表示オプション」ボタンをクリックし、「常にリボンを表示する」をクリックする
これでリボンが常時表示に切り替わった
表示領域をさらに広げるには…
エクセルには「全画面表示モード」というモードがある。このモードを利用するとリボンだけではなくタブも非表示となり、さらに縦方向の表示領域を広げることができる。
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「リボンの表示オプション」ボタンをクリックし、「全画面表示モード」をクリック[/caption]
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さらに表示領域が増えた[/caption]
通常モードに比べると7行分、リボン非表示モードと比べても3行分、縦のスペースが広くなる。タブやリボンを利用したいときは、上記の「…」をクリックすればよい。「リボンの表示オプション」で通常モードやリボン非表示モードに戻れる。
数式バーと列番号/行番号を非表示にする
エクセルの中央上部にある数式バー(計算式、関数などを入力するところ)や列番号、行番号といった見出しを非表示にしても画面を広くすることができる。これは、メニューから実行する。
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「表示」メニューの「数式バー」と「見出し」のチェックを外す[/caption]
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リボンを表示したままでも「2023年8月」まで表示できた[/caption]
[caption id="attachment_50265" align="aligncenter" width="600"]
全画面表示と「数式バー」「見出し」の非表示を組み合わせると縦方向は10行分広くできる[/caption]
このように、画面を広く使いたいときに使える方法はいくつかある。自分のやりやすい方法を覚えて利用すると便利だ。
【ダウンロード】
「時短エクセル」 エクセルの表を大きく表示するさまざまな方法 のお試しファイルのダウンロードはこちらから(Excelファイル)
※解説用画面はWindows 11上でMicrosoft 365のExcelを使用。一部メニュー名などが異なる場合がある