以前のエクセルでは、ファイルを保存する際の拡張子は「xls」だった。現在の拡張子は「xlsx」だ。今でもxls形式で保存することはできるが、何もメリットはない。逆に新しいエクセルの機能を使っても、xls形式で保存するとそれが無効になってしまう場合もある。これからファイルを保存する場合はxlsx形式一択だ(マクロを含む場合を除く)。
ただし、昔のファイルを更新して使っていたり、送られてきたファイルやWebからダウンロードしたファイルがxls形式だったりすることはたまにある。そういうときには拡張子をxlsxに変換しておくのがよい。
xlsとxlsxを見分ける方法
まずはxlsとxlsxの見分け方について紹介する。1つはアイコンのデザインの違い、もう1つはファイルの拡張子を表示して拡張子で見分ける方法だ。
デザインの違いに注目しよう。「X」の部分、背景が緑のものが新しいxlsx形式
メニューの「表示」-「表示」-「ファイル名拡張子」と選んで拡張子を表示する。xlsxが新しい拡張子だ
新しい拡張子に変換する方法その1:新しい拡張子で保存し直す
最もスタンダードなのは、古いxls形式のファイルを開き、xlsx形式で保存し直す方法である。この場合、古いxlsファイルが残ってしまうので削除しておくことをお勧めする。もし「後日必要になる可能性がある」と思う場合は、別の場所に移動しておいたほうが無難だ。
xls形式のファイルを開く
「名前を付けて保存」する際、「ファイルの種類」で「Excelブック(*.xlsx)」を選択する
別のファイルとして保存される
新しい拡張子に変換する方法その2:変換機能を使って変換する
もう1つの方法はエクセルの変換機能を使って新しいファイル形式に変換する方法だ。この方法で変換すると、古い形式のxlsファイルは残らない。完全に入れ替えたいときはこちらのほうが削除の手間が省ける。
xls形式のファイルを開き、「ファイル」-「情報」とメニューをたどる
「互換モード」の欄の「変換」をクリックする
このダイアログボックスが表示されるので、内容を確認して「OK」をクリックする
このダイアログボックスが表示されたら「はい」をクリックする
ファイルがいったん閉じられ、再度開くと新しい形式のファイルになっていることが確認できる
古い拡張子を使い続けるデメリットとは?…
xlsファイルでも単純な表やグラフなら問題なく利用できるが、Excel 2003はすでにサポート期間が終了しているため、新しいファイル形式にしておいたほうが無難だ。xlsxのメリット、xlsのデメリットはいろいろある。以下に挙げてみた。
●xlsを使い続けるデメリット
・新しい機能を使用してxls形式で保存すると、その機能が失われたり正常に実行できなかったりする可能性がある
・xlsファイルはマクロが実行可能だがファイル形式では判別できないため、マクロを含んだ悪意ある攻撃メールとして利用されるケースが増加している
●xlsxに変換するメリット
・xlsxはxlsに比べてファイルサイズを大幅に削減できる
・行と列の大幅な増加(xlsの場合、縦方向の上限が6万5536行、横方向が256列だが、xlsxなら104万8576行、横方向が1万6384列)
このように、xlsを使い続けるメリットは何一つない。メールで送るなどの場合も、マナーとしてxlsx形式にしておくべきだ。これを機会に、古い形式のファイルはxlsx形式に変換しておこう。
※解説用画面はWindows 11上でMicrosoft 365のExcelを使用。一部メニュー名などが異なる場合がある