報告書や議事録といった文書作成において、エクセルの表をワード文書に貼り付けることはよく行われる。その際には、単に表をコピーして貼り付ける以外の貼り付け方を覚えておくと、その後の文書作成や事務処理がスムーズに進む。今回は、用途に応じた表の貼り付け方を3つ紹介する。
元データの修正も反映できる「リンク貼り付け」
エクセルの表をコピーしてワード文書に貼り付けた後、コピー元であるエクセルの表の一部を修正した際にその修正内容がワードに反映される方法が「リンク貼り付け」だ。エクセルの表を更新するとワードの表も更新されるようになるため、売り上げ管理表やシフト表など、常に最新の状態にしておきたい文書に向いている。
エクセルの表を範囲指定し、「Ctrl」+「C」キーでコピーする
ワードを開き、「貼り付け」の下の▽をクリックして「リンク(元の書式を保持)」または「リンク(貼り付け先のスタイルを使用)」を押す
「リンク(元の書式を保持)」を選ぶと表のフォントや装飾が保持された状態で貼りつき、「リンク(貼り付け先のスタイルを使用)」を選ぶとワードの初期設定の状態で貼りつく
見てわかる通り、「元の書式を保持」の場合はセル塗りつぶしや文字の装飾(ボールドや文字色)が保持されたまま貼り付く。「貼り付け先のスタイルを使用」の場合は、文字の装飾であるボールドのみ保持されたが、ほかの飾りはすべてなくなり、ワードの初期値の本文フォントで貼り付いた。
エクセルの赤枠内のデータを修正すると、ワードの表も自動的に数字が更新された
表のサイズを自由に調整したい場合には「図として貼り付け」
ワードに貼り付けた際、表の右側に説明文書を入れたり2つの表を横に並べたり、表を自由に拡大縮小したい場合は「図として貼り付け」を使う。この方法では、表は図形として認識されるため、図と同じように拡大・縮小したり移動したりできる。
エクセルの表を範囲指定し、「Ctrl」+「C」キーでコピーする
ワードを開き、「貼り付け」の下の▽をクリックして「図」を押す
図をクリックし、○の部分をドラッグして大きさを調整する
大きさを調整する際、四隅の○をドラッグすると縦横比そのままで拡大縮小できる。また、線の中央の○をドラッグすると縦横比を無視して縦方向、横方向にのみ拡大縮小される。
もう1つの表を「Ctrl」+「C」キーでコピーする
同じように「図」を選んで貼り付ける
大きさを調整し、「レイアウトオプション」をクリックして「文字の折り返し」で「四角形」や「前面」などを選ぶ
図のレイアウト設定が初期値のままでは最初の表の右側にうまく並ばないので、「レイアウトオプション」から設定を変更する。
表をドラッグして右横に並べる。上部に黄緑色のラインが表示されているのは、表の上部がちょうどそろっていることを示している
ワード内でエクセルを起動して編集できる…
もう1つの方法は、貼り付け先のワードの中でエクセルを起動して編集できるようにするやり方だ。この方法では元のエクセルには編集内容は反映されないため、貼り付けた表をワード内のみで細かく修正したい場合に向いている。
[caption id="attachment_52698" align="aligncenter" width="600"]
エクセルの表を範囲指定し、「Ctrl」+「C」キーでコピー。ワードを開き「貼り付け」の下の▽をクリックして「形式を選択して貼り付け」を押す[/caption]
[caption id="attachment_52699" align="aligncenter" width="563"]
ダイアログボックスが表示されるので、「Microsoft Excelワークシートオブジェクト」を選択して「OK」をクリック[/caption]
[caption id="attachment_52700" align="aligncenter" width="600"]
ワードに張り付いたエクセルの表をダブルクリック[/caption]
[caption id="attachment_52701" align="aligncenter" width="600"]
ワード内でエクセルが起動する。メニューもエクセルのものになり、編集できる状態になる[/caption]
[caption id="attachment_52702" align="aligncenter" width="600"]
このように、合計の行を追加して数式を使用することもできる[/caption]
それぞれの貼り付け方の違いを把握し、貼り付けた表をどのように扱いたいのかによって使い分けるとよいだろう。
【ダウンロード】
「時短エクセル」 用途に合わせて選ぶ エクセルの表をワードに貼り付ける方法3選
のお試しファイルのダウンロードはこちらから(Excelファイル)
※解説用画面はWindows 11上でMicrosoft 365のExcelを使用。一部メニュー名などが異なる場合がある