売り上げ一覧などをグラフ化することはよくある。ただ、「グラフを作るほどでもないけど、サクッと視覚確認したい」というシチュエーションもあるだろう。そんなときにもってこいの機能がある。「スパークライン」と呼ばれるもので、セルの中に小さな棒グラフや折れ線グラフを表示できる。スペースも手間も少なくて済む上に分かりやすく表現できるので、ぜひ覚えておきたい。
では、縦棒のスパークラインをセル内に挿入してみよう。準備としては、売り上げ一覧表の右に少し広めのセルを用意する。そしてセルの高さも高めにしておこう。ここでは、「30」にした。
これで全店舗に縦棒グラフが作成された。ただし、これは各行での大小をグラフにしているだけなので、店舗ごとの大小を比較することはできない。すべての店舗の数値を絶対値で比較するためにはちょっとした工夫が必要だ。
棒グラフの最大値と最小値をすべてのセルで同じ数値に設定すると、全店舗を絶対値で比較できるようになる。
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スパークラインが挿入されたセルをドラッグで選択し、「スパークライン」-「軸」の「縦軸の最小値オプション」で「ユーザー設定値」をクリックする[/caption]
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最小値を入力する。ここでは最も低い数値が表せるように「50000」とした[/caption]
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これで最小値が統一された。同様に最大値も設定する。「スパークライン」-「軸」の「縦軸の最大値オプション」で「ユーザー設定値」をクリック[/caption]
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縦軸の最大値(ここでは「130000」とした)を入力する[/caption]
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これで全店舗での比較が可能となった[/caption]
折れ線グラフで比較するコツ
縦棒グラフと同様に、折れ線グラフを挿入することも可能だ。曜日ごとの推移を知りたいときは折れ線グラフのほうが適している。
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縦棒と同様の操作で「縦棒」の代わりに「折れ線」を選び、セル内に折れ線グラフを作成する[/caption]
折れ線グラフも同様で、違う店舗との比較もしたいときは軸をそろえる必要がある。縦棒グラフ同様、最大値と最小値を入力する方法以外に軸をそろえる方法がある。
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「スパークライン」-「軸」の「縦軸の最小値オプション」で「すべてのスパークラインで同じ値」をクリックする[/caption]
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最大値も同様に「すべてのスパークラインで同じ値」を設定すれば、正しいデータ比較が可能となる[/caption]
折れ線グラフの場合は、最大値や最小値をマークすることもでき、視覚的な比較に役立つ。
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「スパークライン」の「頂点(山)」をクリックすると、各グラフの最大値にマーカーが追加される[/caption]
なお、スパークラインを削除したい場合、「Delete」では消えない。セルごと削除するか、右クリックして「スパークライン」-「選択したスパークラインのクリア」で削除する。
【ダウンロード】
「時短エクセル」 セルにサクッとグラフを追加!「スパークライン」とは のお試しファイルのダウンロードはこちらから(Excelファイル)
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