脱IT初心者「社長の疑問・用語解説」(第82回)
ブルーライト対策にはうな重?
公開日:2020.01.15
店舗や工場、倉庫などの状況を「見える化」する王道は、監視カメラの導入だろう。管理室から映像でリアルタイムの状況を把握でき、一定期間遡って過去の状況確認も可能だ。人間の目で映像を確認するため、状況判断がしやすい。
しかし、使い勝手の良い監視カメラにも、弱点はある。1つは監視カメラシステムの導入・設置のコスト。カメラやビデオレコーダー、モニターなどの機器は、法人向け製品は思いのほか価格が張る。その上、取り付けや配線などの手間とコストも加わる。中小企業にとっては導入のハードルが高い。
もう1つが、機器の故障や破壊の問題だ。見落としがちだが、監視カメラを確実に運用するにはメンテナンスを含めた運用コストがかかる。故障したら、修理や買い替えも考慮しなければならない。また、監視カメラのそばにレコーダーがあるタイプの場合、破壊されたり、持ち出されたりすると、せっかく捉えた「証拠」がなくなる。防犯用に導入したのに、これでは役に立たない。
そうした残念な事態に陥らずに済む監視カメラのソリューションとして、クラウド型カメラサービスが登場している。導入・利用がしやすいサービスの1つに、NTT西日本が2019年12月に提供を始めた「クラウド型カメラとれ~る」がある。
クラウド型カメラサービスは、その名の通りにカメラで撮影した映像をクラウドに保存して利用する。従来型の監視カメラシステムでは、店舗や事務所、管理室などに設置したビデオレコーダーに映像を保存するのが主流だった。事業者が提供するクラウドに映像を保存すると、使い勝手が大きく変わる。
最大のメリットは、クラウドへの映像保存により、撮影したデータがより安全に保管されるところだ。データはネットワーク経由で、即座にクラウドのストレージに保存される。万が一、店頭のカメラが壊されても、その瞬間までのデータはクラウドにしっかり残る。
火事のケースを想定してみよう。監視カメラとビデオレコーダーを現地に設置した場合には、記録したレコーダーが焼けてしまえば、データが残らない。クラウド型カメラサービスならば、カメラやネットワークが機能しなくなる直前までの映像記録がクラウドに残る。原因究明や対策に役立てられる。
状況を管理する側のデバイスを選ばないのも、クラウド型カメラサービスの大きなメリットだ。専用機器を使ったモニター画面でしか確認できない監視カメラシステムと異なり、クラウド型カメラサービスでは他のクラウドサービスと同様に、Webブラウザーからサービス画面にアクセスすればよい。パソコンだけでなく、スマホやタブレットでも映像をリアルタイムに確認できるのだ。店舗や工場と離れた事務所からでも、出張先からでもよい。トラブルが発生したときに、過去の状況を確認することも、場所を問わずに可能だ。
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執筆=岩元 直久
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