オフィスを不在にする機会の多い担当者が、業務報告書を作成するために出社するケースがある。「報告書には取引先の情報が記載されるので、社外でのパソコン操作は制限している」企業も存在する。だが、必ずしも会社にいなくても、リモートワークによって長時間労働の是正や業務の効率化が可能になり、働き方は変えられる。
仮想デスクトップ(VDI)の製品・サービスは、自社で構築・運用するオンプレミスとクラウドサービスの2つの形態がある。主な製品・サービスには、ヴイエムウェアの「VMware Horizon」、オラクルの「Oracle VM VirtualBox」、マイクロソフトの「Microsoft Virtual Desktop Infrastructure」、アマゾンの「Amazon WorkSpaces」、シトリックスの「Citrix Virtual Apps and Desktops」などがあり、さまざまなITベンダーが導入・運用をサポートしている。
NTT西日本グループのNTTネオメイトではクラウド型VDIサービス「AQStage 仮想デスクトップ」を提供し、企業が抱える課題に対応する。データを端末に保存せずに「セキュリティを強化したい」、働く時間や場所、端末に制約されることなく「柔軟な働き方を推進したい」、データを堅固なデータセンターに保存することで、自然災害などの発生時にもデータ損害のリスク低減が期待でき「事業継続(BCP)対策を行いたい」、パソコンのOSやアプリケーション、セキュリティ対策など「ITの運用負荷を軽減したい」といった課題解決の一助となる。
仮想デスクトップ環境のセキュリティ対策では、「リンククローン方式」「エージェントレス型アンチウイルス」「VMware NSX(ネットワーク仮想化)」の3つを組み合わせ、包括的な対策を提供する。
リンククローン方式は、1つのマスターOSに対して設定するだけで、それにひも付くすべての仮想デスクトップの設定変更が可能だ。例えば最新のセキュリティパッチを適用する場合、マスターOSにのみ適用すればよい。パッチ適用作業を効率化し、OSのセキュリティリスクを軽減する。
またリンククローン方式は、仮想デスクトップのログオフ時にOSイメージをリフレッシュする機能がある。そのため、仮想デスクトップの端末がウイルス感染してもログオフ時にリフレッシュされ、クリーンな状態のマスターOSと同じ状態に戻すことが可能だ。
リンククローン方式によるリフレッシュに加え、仮想デスクトップ外でウイルスチェックを行う「エージェントレス型アンチウイルス」にも対応。ウイルスチェックに関わる仮想デスクトップへの負荷を軽減し、快適な操作環境とセキュリティ強化を両立する。
サイバー攻撃は巧妙化し、仮想デスクトップ環境においても未知のウイルスやマルウエアの感染リスクがある。そこで、ネットワーク仮想化技術の「VMware NSX」に対応し、万一、未知のウイルスなどに感染した場合でも、マイクロセグメンテーションと呼ばれる仮想マシンごとの通信制御により感染被害を局所化し、感染拡大を防止することが可能だ。
快適なWeb会議や運用管理の負荷軽減を支援
AQStage 仮想デスクトップはセキュリティ対策のほか、働き方改革やBCP対策に役立つ機能を提供するのも特長だ。AQStage 仮想デスクトップ基盤が設置されたデータセンター(クラウド)と企業・オフィスのパソコンを結ぶネットワークはセキュアな閉域網(VPN)を使う。外出先や在宅勤務などのリモートアクセスは、インターネット・モバイル回線を使いタブレットやスマートフォンを利用できる。リモートアクセス時に、オプションの二要素認証を組み合わせれば、端末の不正利用を防ぐセキュリティ強化も可能だ。
Web会議を行う機会増にも対応する。仮想デスクトップ環境で快適なWeb会議が行えるよう、「Skype for Business」の利用時に端末側に音声・ビデオ処理をオフロードし、円滑なコミュニケーションが可能だ。感染症対策や災害時に出社できず、自宅やリモート拠点からWeb会議を行うケースなど、多様な働き方やBCP対策としても有効だ。
オンプレミスに比べ、クラウド型VDIサービスは運用管理の負荷が小さいとはいえ、IT管理に関わる人材不足が課題の中堅・中小企業にとってシステム運用は心配の種だろう。そこで、NTTネオメイトでは運用負荷を軽減する「おまかせパック(作業代行)」サービスをオプションで提供。仮想デスクトップ故障時の対応やOSパッチ適用などを代行し、仮想デスクトップ環境の運用負荷を軽減する。
【AQStage仮想デスクトップの仕組み】
豊富な運用実績に基づくクラウド型VDIサービス
業務の拡大に応じて従業員を増やしたり、顧客対応のため日中と夜間の勤務形態を採用したりするケースは少なくない。ビジネスの変化に応じたIT環境の最適化は重要だ。AQStage 仮想デスクトップは、利用状況に合わせて対応できるリソース設計も特長だ。
仮想デスクトップを25台単位で追加でき、社員数の増加に対応する。また、仮想デスクトップの性能を高めたい場合、メモリーやディスクのスペックを上げられる。日中と夜間のシフト勤務の場合、1台を複数人が共用し契約台数を減らせる。
仮想デスクトップを検討する際には、導入・運用に関わる疑問や不安、要望が生じるものだ。そこで、事前検証を行うPoC(Proof of Concept)サービスを用意し、従来のデスクトップ環境との運用方法の違いや、利用したいアプリケーションが想定通りに動作するのか、現行環境からの移行方法など、本番導入前に検証環境を用いて疑問・不安を解消できる。
クラウド型VDIサービスを、業務で安定的に利用するには運用実績を考慮する必要がある。AQStage 仮想デスクトップは、NTT西日本グルーブで約3万5000台に及ぶ大規模な導入・運用をはじめ、金融業や製造業・地方公共団体などで導入する約2万5000台を合わせ、累計6万台の運用実績がある。この豊富な実績とノウハウを基に、既存環境からのデータ移行や導入後の運用を支援する。
また、クラウドサービスはセキュリティが心配という企業もあるが、AQStage 仮想デスクトップはクラウドサービスの情報セキュリティ管理の国際規格である「ISMSクラウドセキュリティ認証(ISO/IEC27017)」を取得し、お墨付きを得ている。
ビジネス環境が変化する中、多様な働き方に対応していかなくてはならない。クラウド型仮想デスクトップは、テレワークやリモートワークに付いて回る端末の情報漏えい対策などを高いレベルでクリアする方法といえる。従来のIT環境を見直し、働き方を変革する契機にしてはいかがだろうか。
※掲載している情報は、記事執筆時点のものです
※「VMware Horizon」「VMware NSX」はVMware, Inc.の商標または登録商標です
※「Oracle VM VirtualBox」はOracle Corporationの商標または登録商標です
※「Microsoft Virtual Desktop Infrastructure」「Skype for Business」は米国Microsoft Corporationの商標または登録商標です
※「Amazon WorkSpaces」はAmazon.com, inc.またはその関連会社の商標または登録商標です
※「Citrix Virtual Apps and Desktops」はCitrix Systems, Inc.の商標または登録商標です
※「AQStage 仮想デスクトップ」は株式会社エヌ・ティ・ティ ネオメイトの商標または登録商標です