ビジネスを優位に導くソフトウエア・サービス(第2回)その作業、RPAロボットにやらせよう

自動化・AI デジタル化

公開日:2018.07.04

  • PDF PDF
  • ボタンをクリックすることで、Myクリップ一覧ページに追加・削除できます。追加した記事は、「Myクリップ」メニューからいつでも読むことができます。なお、ご利用にはBiz Clipに会員登録(無料)してログインする必要があります。

 「このパソコン作業、面倒だなあ」と思いつつ、ミスなくこなすためにパソコン画面とにらめっこしている担当者も多いだろう。近い将来、そんな光景が少なくなるかもしれない。単純作業は機械に任せられるはずという発想から生まれたのがRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)という技術だ。

画面操作を自動化するツールで働き方改革

 RPAとは、ロボット技術による工程自動化のこと。名前こそ重々しいが、その実体は「パソコン画面操作の自動化」だ。

 現在、企業の情報処理の多くはコンピューターで自動的に行われている。ただ、処理の元になるデータは誰かがパソコン画面から入力しなければならない。報告資料を作成するために、担当者が基幹システムのデータをExcelにコピーして加工するケースも多い。100%の自動化は達成できていない。

 この隙間を埋めてくれるのが、RPAツールと呼ばれるソフトウエアロボットだ。RPAツールは、人間があらかじめ作っておいたRPAロボット(プログラム)により、パソコンを自動的に操作する。例えば、申込書のデータを業務システムへ人間の代わりに入力してくれる。その間、担当者はパソコンのそばにいなくてもよい。それまで多大な労力を要していた入力作業が自動化されれば、作業時間が圧倒的に短くなる。さらに、人手による転記ミスがなくなり、業務品質も上がる。

 例えば、ある製造業は、為替の最新レートをWebサイトで見て、自社と取引のある国の為替の値をExcelで計算して基幹システムに入力していた。1日3回行っていた一連の作業をRPAで自動化し、作業時間の短縮とミス防止を実現した。

 このようにRPA活用が進む背景には、働き方改革がある。効果は2つある。業務効率化と、コア業務への時間の振り分けだ。事務作業の時間を短縮できるので、作業時間が減って余裕が出た部分を、コア業務に振り分けられる。仕事の創造性が高まり、モチベーションアップにもつながる。

 現在市場に出回っているRPAツールは、サーバー型とクライアント型に大別できる。サーバー型のRPAツールは、データセンターなどに置かれたサーバーで動作する。サーバーを別途用意する必要はあるものの、RPAロボットの稼働状況を集中管理できる。導入費用は高めの傾向だ。

 一方、クライアント型のRPAツールは、Microsoft Officeなどと同様、パソコン上で動作する。業務担当者ごとのニーズに柔軟に応えられる点はサーバー型よりも優れている。ただし、サーバー型のように一元管理をしにくい。統制をどう取るか、ルールづくりが重要になる。

 製品によって、自動化できる業務システムの種類も異なる。ほとんどの製品はWindowsアプリケーションとWebアプリケーションの両方に対応している。低価格製品の一部には、対応アプリケーションが少ないものもある。Excelなどのパソコン用アプリケーションも自動化するのなら、両方に対応したRPAツールが必要だ。

百花繚乱のRPAツール製品例…

続きを読むにはログインが必要です

\ かんたん入力で登録完了 /

会員登録3つのメリット!!

  • 最新記事をメールでお知らせ!
  • すべての記事を最後まで読める!
  • ビジネステンプレートを無料ダウンロード!

執筆=山口 学

【M】

あわせて読みたい記事

「自動化・AI」人気記事ランキング

連載バックナンバー

無料!おすすめのダウンロード資料

  • 企業のDX対応意識調査2023

    企業のDX対応意識調査2023

    データの利活用にとどまらず、デジタル技術を前提としたビジネスモデルの変革や経営革新の切り札として期待される「DX(デジタルトランスフォーメーション)」推進。企業はその対応に向けて何を進め、どのような点を課題に感じているのだろうか。こうした企業意識について調査を行いました。

  • インボイス対応状況調査2022

    インボイス対応状況調査2022

    2023年10月1日に開始予定の「インボイス制度」。同制度は、課税仕入れ等に係る消費税額を控除する仕入税額控除のための新たな仕組みだが、企業においてはこれらに伴う社内システムの見直しなどが必要となります。本制度への対応状況について、企業はどのように準備をしているのだろうか。その最新動向について調査しました。

  • 中小企業のためのセキュリティ強化術 当社も攻撃の標的に?中小企業向け「必要最低限」のセキュリティ強化は

    中小企業のためのセキュリティ強化術 当社も攻撃の標的に?中小企業向け「必要最低限」のセキュリティ強化は

    サイバー攻撃の勢いが増している中、あらゆる企業が標的にされる可能性が高まっている。予算やIT 人材が限られている中小企業は、どうすればセキュリティを強化できるのか。セキュリティの基本的な考え方を解説しながら、中小企業がセキュリティを強化するためにはどうすればいいのかをご紹介します。

オンラインセミナー動画

  • 新着記事

配信期間

2024年11月28日(木)~2025年9月30日(火)

DX・業務効率化関連

【年末調整直前!】デジタル化による業務負担の軽減をめざそう

  • 新着記事

配信日時

2024年12月5日(木) 12時05分~12時50分

DX・業務効率化関連

「DX・ITツール活用の進め方」と対面コミュニケーションの両立