ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2018.07.04
「このパソコン作業、面倒だなあ」と思いつつ、ミスなくこなすためにパソコン画面とにらめっこしている担当者も多いだろう。近い将来、そんな光景が少なくなるかもしれない。単純作業は機械に任せられるはずという発想から生まれたのがRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)という技術だ。
RPAとは、ロボット技術による工程自動化のこと。名前こそ重々しいが、その実体は「パソコン画面操作の自動化」だ。
現在、企業の情報処理の多くはコンピューターで自動的に行われている。ただ、処理の元になるデータは誰かがパソコン画面から入力しなければならない。報告資料を作成するために、担当者が基幹システムのデータをExcelにコピーして加工するケースも多い。100%の自動化は達成できていない。
この隙間を埋めてくれるのが、RPAツールと呼ばれるソフトウエアロボットだ。RPAツールは、人間があらかじめ作っておいたRPAロボット(プログラム)により、パソコンを自動的に操作する。例えば、申込書のデータを業務システムへ人間の代わりに入力してくれる。その間、担当者はパソコンのそばにいなくてもよい。それまで多大な労力を要していた入力作業が自動化されれば、作業時間が圧倒的に短くなる。さらに、人手による転記ミスがなくなり、業務品質も上がる。
例えば、ある製造業は、為替の最新レートをWebサイトで見て、自社と取引のある国の為替の値をExcelで計算して基幹システムに入力していた。1日3回行っていた一連の作業をRPAで自動化し、作業時間の短縮とミス防止を実現した。
このようにRPA活用が進む背景には、働き方改革がある。効果は2つある。業務効率化と、コア業務への時間の振り分けだ。事務作業の時間を短縮できるので、作業時間が減って余裕が出た部分を、コア業務に振り分けられる。仕事の創造性が高まり、モチベーションアップにもつながる。
現在市場に出回っているRPAツールは、サーバー型とクライアント型に大別できる。サーバー型のRPAツールは、データセンターなどに置かれたサーバーで動作する。サーバーを別途用意する必要はあるものの、RPAロボットの稼働状況を集中管理できる。導入費用は高めの傾向だ。
一方、クライアント型のRPAツールは、Microsoft Officeなどと同様、パソコン上で動作する。業務担当者ごとのニーズに柔軟に応えられる点はサーバー型よりも優れている。ただし、サーバー型のように一元管理をしにくい。統制をどう取るか、ルールづくりが重要になる。
製品によって、自動化できる業務システムの種類も異なる。ほとんどの製品はWindowsアプリケーションとWebアプリケーションの両方に対応している。低価格製品の一部には、対応アプリケーションが少ないものもある。Excelなどのパソコン用アプリケーションも自動化するのなら、両方に対応したRPAツールが必要だ。
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執筆=山口 学
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