ナニコレ!?研修(第2回)“ネット炎上”の恐怖を体感する「炎上防災訓練」

雇用・研修 トラブル対応

公開日:2018.09.21

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 TwitterFacebookなどSNSの書き込みに端を発して企業が激しい非難にさらされる、いわゆる“炎上”のニュースが増えている。総務省「平成27年度版 情報通信白書」によると、炎上に関する新聞記事は2010年ごろから急増しているという。いつ発生するか分からない、まさに災害ともいえるネットの炎上に対し、日ごろから対応策を訓練できる研修「炎上防災訓練」が2018年に登場した。

ネット炎上が決して「人ごと」ではない理由

 SNSは企業が消費者とコミュニケーションを取れる便利なツールだが、一歩運用を誤れば、企業ブランドを失墜させる“爆弾”ともなりかねない。笑わせようと思ってアルバイトが投稿した写真が、何千何万というSNSユーザーに拡散されて、企業が徹底的にたたかれることも珍しくない。この炎上が起きると、企業のブランドイメージは大幅に低下する。

 「うちはSNSの企業アカウントがないから関係ない」というのは浅はかな考えだ。炎上は決して人ごとではない。2013年夏、あるコンビニエンスストアの店員がふざけてアイスケースの中に入り、その様子を投稿したTwitterが拡散されて大炎上した。投稿に反応した大半は、投稿者の行動を非難するものだったが、コンビニ本部の管理責任を問う声も多かった。そのコンビニ商品の不買を宣言するネットユーザーも現れた。

 これ以外にも、店舗を訪れた有名人のプライベート情報を店員がSNSに投稿したり、社員が取引先や自社の悪口を投稿したりと、炎上ネタはどこにでも転がっている。騒ぎが大きくなれば、新聞やテレビなどのマスメディアが追いかける重大ニュースへとなっていく。炎上はもはや対岸の火事ではない。いつ、どのタイミングで発生するか分からない「災害」なのだ。

 こうした炎上に対し、その恐ろしさを疑似体験してネット炎上に備える訓練がある。ホットリンクの研修プログラム「炎上防災訓練」だ。

リアル過ぎる炎上体験でリスク対策

 このプログラムは、「組織向け」「従業員向け」の2つの内容に分かれる。組織向けのほうは、コミュニケーションツールを使って受講する無償版「1時間だけ炎上防災訓練」と、さらに本格的に炎上を疑似体験できる有料版の2種類がある。従業員向けのほうは、予期せぬ形で自身が炎上を招いてしまうプロセスを、スマホで疑似体験する「働くひとのための炎上防災訓練」の1種類だ。

 無償版「1時間だけ炎上防災訓練」で具体的なプログラム内容を体験してみた。

写真1

投稿から炎上までのプロセスのリアルさが半端ない「炎上防災訓練」

 まず起点となるSNSの書き込みが「露出」し、それがネットユーザーの手で次々と「拡散」されて大ごととなる。その過程や反応を時系列にまとめたWebサイトが出てくる「集約」を経て、最終的にテレビや新聞などのマスコミで「報道」される。これらのプロセスを約1時間で疑似体験していく。

図1

炎上プロセスが進むにつれ、ネットの書き込み量も増加

「こんな経験は二度としたくない」…

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執筆=岩崎 史絵

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