ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2020.01.23
記事には、一般に「5W1H」と呼ばれる要素のほとんどが盛り込まれます。「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように」といった情報です。
その中で意外に読み飛ばされているのが「WHO(誰が)」ではないでしょうか。
新聞記事のWHOで重要なのは、「当事者」「取材源」という2つの要素です。当事者とは、殺人事件でいえば容疑者や被害者、警察や目撃者などです。しかし、記事を読み解く上では、「当事者が誰か」と同じくらい、「誰がニュースソースなのか」も重要になります。
記者は必ず何らかの情報源から話を聞いて原稿を書くわけですが、それが誰かということは内容の信頼性や、政治的なバイアスを判断する上で極めて重要だからです。
問題は、日本の新聞では情報源の匿名性がかなり高く、一定の知識を持っていなければ読者には分からなくなっているということです。
例えば、「政府首脳は◯日、記者団に対し〜であることを明らかにした」といった記事を見たことがあるのではないでしょうか。
この場合の「政府首脳」は、先ほどの2要素の両方を兼ね備えています。つまり「当事者」であると同時に「情報源」でもあるわけです。
つまり、これが「誰か」が分からなければ、情報の価値の半分くらいは得られないことになります。ただ、多くの人は「ああ、政府のエライ人が何かしゃべったんだな」と、その正体についてあまり詮索せずに読み飛ばすのではないでしょうか。
もちろん、「政府のエライ人」でも記事の大意は理解できます。それで十分だという人もいるでしょう。しかし、これが「首相」なのか「大臣」なのか「どこかの省のトップ」なのかで、語った内容の重みや政治的ニュアンスは全く変わってきます。
もし「政府の動きの先を読む」といった目的で新聞を読むのであれば、こういう曖昧な理解では不十分なのです。
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執筆=松林 薫
1973年、広島市生まれ。ジャーナリスト。京都大学経済学部、同大学院経済学研究科修了。1999年、日本経済新聞社入社。東京と大阪の経済部で、金融・証券、年金、少子化問題、エネルギー、財界などを担当。経済解説部で「経済教室」や「やさしい経済学」の編集も手がける。2014年に退社。11月に株式会社報道イノベーション研究所を設立。著書に『新聞の正しい読み方』(NTT出版)『迷わず書ける記者式文章術』(慶応義塾大学出版会)。
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情報のプロはこう読む!新聞の正しい読み方