アスリートに学ぶビジネス成功への軌跡(第26回)球界の不世出のスター・長嶋茂雄の熱いプロ意識

人材活用

公開日:2020.08.20

  • PDF PDF
  • ボタンをクリックすることで、Myクリップ一覧ページに追加・削除できます。追加した記事は、「Myクリップ」メニューからいつでも読むことができます。なお、ご利用にはBiz Clipに会員登録(無料)してログインする必要があります。

 「4番、サード、長嶋」

 この場内アナウンスも1974年10月14日の中日ドラゴンズとの引退試合を最後に聞くことはできなくなってしまった。けれども、読売ジャイアンツの4番打者としてチームのV9をけん引した長嶋茂雄さんの熱いプレーは、今も人々の心の引き出しに大切にしまわれているのではないだろうか。

 中でも昭和のプロ野球ファンを沸かせたのは、1959年6月25日、昭和天皇並びに香淳皇后を後楽園球場にお迎えして行われた初の天覧試合だろう。この試合の直前までスランプに苦しんでいた長嶋さんだったが、当日は燃える男の本領を発揮し、不振がウソのような大活躍をして見せる。

 対戦相手は大阪タイガース(現阪神タイガース)。まず、1点を先行された5回裏に、ソロホームランを放つ。そして4対4で迎えた9回裏、先頭打者として打席に立った長嶋さんが、5球目のストレートを振り抜くとボールはレフト上段へ。プロ入り初のサヨナラ本塁打で歴史的な一戦の勝利をもぎとったのだ。

ここぞ!というときに観衆を魅了するプレー

 もう1つ、個人的に忘れられない試合がある。1968年9月18日の試合。対戦相手は同じくタイガース。荒れに荒れた試合だった。

 4回、タイガースの先発投手バッキーは、1打席目に死球を与えた王選手に対し、ここでも2球続けてビーンボールまがいの球を投げた。これをきっかけに両チーム入り乱れての大乱闘に発展。試合再開後、退場となったバッキー投手に代わってマウンドに上がったのは後藤投手。ところが、なんと王選手の後頭部に死球を与え、倒れた王選手はタンカで病院に運ばれてしまう。またも乱闘。甲子園球場の殺伐とした雰囲気がブラウン管越しに伝わってくるようだった。そこで4番長嶋の登場となる。

 カーン!

 長嶋さんはホームランをかっ飛ばしてくれた。観戦していた私の気分がスカッとして、甲子園球場の空がどんよりとした曇り空から青空に変わったように思えた。その1発で長嶋さんに魅せられてしまった。

監督との出会いでプレースタイルを確立…

続きを読むにはログインが必要です

\ かんたん入力で登録完了 /

会員登録3つのメリット!!

  • 最新記事をメールでお知らせ!
  • すべての記事を最後まで読める!
  • ビジネステンプレートを無料ダウンロード!

執筆=藤本 信治(オフィス・グレン)

ライター。

【T】

「人材活用」人気記事ランキング

連載バックナンバー

アスリートに学ぶビジネス成功への軌跡

オンラインセミナー動画

  • 新着記事

配信日時

2024年11月27日(水)①14時00分〜15時00分 ②18時00分~19時00分

セキュリティ関連

【日本ハッカー協会登壇】攻撃者の視点で語る、サイバー攻撃のトレンドと対策

配信期間

2024年10月24日(木)~2024年11月29日(金) 

セキュリティ関連

セキュリティコンサルタントが解説!いま企業がとるべきサイバー攻撃対策とは