ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2021.04.22
セルゲイ・ブブカと棒高跳びの出合いは9歳の時。
街のスポーツクラブで棒高跳びの練習を見たブブカは、まるで人間が空を飛んでいくような驚くべき光景にたちまち魅了されてしまったそうだ。
ブブカは、自宅に戻ると近所で拾ってきた棒を使って、早速、棒高跳びの練習を始めた。子ども時代にブブカと同じように棒高跳びのまね事をした経験を持つ方は少なくないだろう。しかし多くの場合は、棒を使って小さな川を飛び越えようとするものだ。ブブカは違った。彼は棒を手に庭のフェンスに向かって走りだすのだ。何度かのトライの後、ブブカは自分の体を宙に浮かせる感覚をつかみ、そしてまた何度目かの挑戦の後、見事フェンス越えをやってのけた。
その時の興奮を思い出し、彼は自著で次のように述べている。
「棒高跳選手セルゲイ・ブブカのマークした初記録は、庭のフェンスである」
(なぜ“ブブカ”はスポーツでもビジネスでも成功し続けるのか セルゲイ・ブブカ著)
そして11歳になったブブカはスポーツクラブで本格的に棒高跳びの練習をスタートさせることを決心する。
あの日、ブブカが棒高跳びの練習風景に心奪われなければ、人類が棒高跳びで6m越えを実現させるのにさらに多くの年月を必要としたのではないだろうか。
ブブカがスポーツクラブで出会ったペトロフコーチは、実技の練習がしたくてウズウズしているブブカに棒高跳びをするために必要な身体能力を高めるためのトレーニングを課した。それが功を奏し、非公式ながら、100m走では10秒2、走り幅跳び8m20、走り高跳び2m12という記録を出せるまでの身体能力が培われた。また器械体操のつり輪や平行棒でも非凡な才能を見せたという。
そうした能力が、トラック上では陸上競技、空中においては体操競技という2つの面を備えた棒高跳びでの華やかな成功をもたらすのである。
物語のスタートは、1983年の第1回世界陸上ヘルシンキ大会だった。ブブカは、この大会で5m70の記録で優勝。これを皮切りに世界陸上において大会史上唯一となる同一種目6連覇の偉業を達成する。
また棒高跳びのブブカの名を世界中に知らしめたのが、世界記録を35回更新するという前代未聞の快挙だ。
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執筆=藤本 信治(オフィス・グレン)
ライター。
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