ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2019.03.01
顧問先2200社を抱える会計事務所を率いる公認会計士、古田土満氏が語る小さな企業の経営のコツ。第4回は会社を存続するためのリスク管理の大切さを紹介しました。今回は、その具体的な方法を解説します。ポイントは支払手形をなくして、本当の無借金経営をめざすことです。
前回、貸借対照表のリスク管理を解説しました。大切なポイントですから、今回、もう少し詳しく見ていきましょう。
一般的に優良会社の条件として、無借金経営であることが挙げられます。しかし「無借金会社」といっても、下記のように状況の違いがあります。
(1)支払手形がある無借金会社
(2)決算期末のみ預金で借入金を返して無借金にする会社
(3)預金が借入金より多い、実質的無借金会社
支払手形と借入金のどちらを早くなくすべきかといえば当然、支払手形です。会社は振り出した手形が落とせないときに、全ての銀行と取引停止になり倒産します。銀行に借入金が返せなくても、その相手の銀行のみリ・スケジュールの交渉をすればよいわけです。ですから、支払手形のない会社は倒産する確率は低くなります。
反対に無借金でも支払手形の多い会社は、手形を落とすために資金が必要なときに、銀行との借入実績、返済実績がないため、資金調達ができずに倒産する確率が高くなります。支払手形はないほうが安全です。
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執筆=古田土 満
法政大学を卒業後、公認会計士試験に合格。監査法人にて会計監査を経験して、1983年に古田土公認会計士・税理士事務所を設立。財務分析、市場分析、資金繰りに至るまで、徹底した分析ツールによって企業の体質改善を実現。中小企業経営者の信頼を得る。
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人気会計士が語る、小さな会社の経営“これだけ”