ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2019.04.05
顧問先2200社を抱える会計事務所を率いる公認会計士、古田土満氏が語る小さな企業の経営のコツ。これまでは貸借対照表を中心に経営のポイントを紹介してきました。今回は、損益計算書に舞台を移します。まずは、一番大切な「利益」についてです。売上高経常利益率の目安は業種によって違ってきます。ただ、粗利益率に着目すると、どの業種でも通用する目安を決める方法が見えてきます。
本連載では、ここまで、「損益計算書より貸借対照表中心の経営を!」と訴えてきました。では、損益計算書上の利益は、どのくらいをめざせばいいのでしょうか?
お客さまから「うちの会社は売上高経常利益率が何%くらいあればいいの?」と質問されても、以前ははっきり「あなたの会社は何%あれば合格です」とは答えられませんでした。日本中の会計事務所でも、はっきり答えられる人はいないのではないかと思っています。
しかし私は、稲盛和夫さんの言葉からヒントを得て、自分なりの目安をつくることに成功しました。稲盛さんは講演会でも、ご著書の中でも「中小企業の経営は売上高経常利益率が10%なければ経営者失格だ」と言って、中小企業経営者を励まされています。
私はこの10%は製造業では分かるが、小売業や卸売業では達成が難しいのではないかと思っていました。なぜなら、卸売業では粗利益率が10〜15%の会社がほとんどであり、他の業種でも粗利益率が20%未満の会社はたくさんあります。粗利益率が20%ない会社が、経常利益率10%はほぼ不可能です。
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執筆=古田土 満
法政大学を卒業後、公認会計士試験に合格。監査法人にて会計監査を経験して、1983年に古田土公認会計士・税理士事務所を設立。財務分析、市場分析、資金繰りに至るまで、徹底した分析ツールによって企業の体質改善を実現。中小企業経営者の信頼を得る。
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人気会計士が語る、小さな会社の経営“これだけ”