ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2020.01.10
顧問先2200社を抱える会計事務所を率いる公認会計士、古田土満氏が語る小さな企業の経営のコツ。第15回は、弁護士・税理士・コンサルタントといった外部の専門家との付き合い方です。それぞれの立場を考えて、アドバイスを聞き、活用することを、古田土氏は解説しています。
前回は、金融機関などから持ち込まれるうまい話に関する注意点を解説しました。今回は、弁護士・税理士・コンサルタントなどの専門家のアドバイスを聞く際の注意点について説明します。
数年前に、うちの社員を弁護士さんが講演する相続税のセミナーに参加させたことがあります。感想を聞いたら、「所長、相続は相続人全員が納得するまで話し合い、『争続』にならないようにまとめるのがプロの仕事だと弁護士の先生はお話しされていました。全くその通りですね」と言っていました。
私はその話を聞いて、その社員に言いました。「○○さん、弁護士は争いが長くなるほど報酬が増えます。税理士は早く相続税の申告書を作らないと報酬が入りません。その人がどういう立場なのか理解して話を聞かないと、本質を見誤りますよ」と。
会社を倒産させるか、継続するかの判断で、弁護士さんに相談に行くと「倒産させましょう」という意見が多く、税理士さんに相談に行くと「どうにか存続させる方法を模索しましょう」と言うそうです。
弁護士は、破産や民事再生でお金を稼ぐものです。一方、税理士は会社が倒産するとお客さまが1件なくなるわけです。立場が違うと意見が違うのは、当然です。では、私ども古田土会計はどういう立場かというと、税理士ですから存続の立場です。会社の存続に熱心な弁護士さん、コンサルタントと組んで仕事をします。
古田土会計には、倒産するほか道はないと思い込んでいる経営者の方も相談に来られますが、多くのケースはお金が回っていないだけで、努力すれば存続できるのです。貸借対照表の見直し、資金繰りの改善によって存続可能な会社に変わります。
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執筆=古田土 満
法政大学を卒業後、公認会計士試験に合格。監査法人にて会計監査を経験して、1983年に古田土公認会計士・税理士事務所を設立。財務分析、市場分析、資金繰りに至るまで、徹底した分析ツールによって企業の体質改善を実現。中小企業経営者の信頼を得る。
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人気会計士が語る、小さな会社の経営“これだけ”