ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2020.12.04
顧問先2200社を抱える会計事務所を率いる公認会計士、古田土満氏が語る小さな企業の経営のコツ。前回の第25回は、朝礼について解説しました。これらは「会社の躾け方」のノウハウですが、今回からは、一転、社長の仕事について説明します。古田土氏は、社長は、商品・サービスについての方向性に関する戦略を立案することが一番重要な仕事なのだと説きます。
会社をしっかり躾(しつ)けたとしましょう。全社員はしっかり同じ方向を向いています。その中で、社長がすべきことは何だと思いますか?
経営コンサルタントの一倉定先生は、「社長の仕事は高収益型の事業構造をつくることだ」(『一倉定の経営学 経営計画・資金運用』、日本経営合理化協会出版局)とおっしゃっています。古田土会計では、社長の仕事は、「高収益型の事業構造をつくり、社員と家族を幸せにすること」と定義しています。
高収益型とは、毎年高額の経常利益を出し続けられる会社ということです。どうしたら経常利益を出し続けられるかというと、販売ではなく、商品・サービスで差異化することです。仮に、販売力で差別化することができても、1〜3年ですぐにまねされてしまいます。高収益力は長く続きません。一方、商品、サービスで差異化できれば、5〜10年、あるいは20年と長期にわたって高収益力を維持できます。他者がまねしづらいからです。
では誰が商品、サービスを開発するかといえば、中小企業では社長です。社長の仕事は、高収益の商品、サービスを開発することです。それ以外の仕事は役員でも、幹部でもできます。ただし、会社に良い商品、サービスが現在ない場合は、社長は先頭に立って営業をして、売り上げと粗利益をアップすべきです。
社長が戦略としての商品、サービスの選択を誤れば、また、会社の方向性の選択を誤れば、いかに社員が優秀でモチベーションが高くても会社は潰れます。
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執筆=古田土 満
法政大学を卒業後、公認会計士試験に合格。監査法人にて会計監査を経験して、1983年に古田土公認会計士・税理士事務所を設立。財務分析、市場分析、資金繰りに至るまで、徹底した分析ツールによって企業の体質改善を実現。中小企業経営者の信頼を得る。
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人気会計士が語る、小さな会社の経営“これだけ”