ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2021.07.02
顧問先2200社を抱える会計事務所を率いる公認会計士、古田土満氏が語る小さな企業の経営のコツ。経営理念についての説明の第3回目になります。経営計画書の有用性について、具体的な手法を紹介しています。
古田土会計の経営計画書は245ページに及びます。これを、毎週月曜日の午前8時から45分、私が解説する勉強会を20年以上続けています。それでも、社員に内容が十分に伝わっているとはいえません。
伝わっていないのは、私の伝え方がまずかったからではないかと、あるとき気付きました。ましてや、お客さまで経営計画書を作ってまだ間がない会社なら、我が社よりもその内容が社員に伝わっていないのではないかと思いました。
そこで考えたのが、次の方法です。全社員が共有しなければならない、会社にとって大事な項目を9つ選んで定義し、誰に聞いても、金太郎飴のように同じ答えが返ってくるようにすることです。
言葉選びのポイントは3つあります。
(1)言葉がやさしく、分かりやすいこと
(2)文章が短いこと
(3)1枚の紙にまとめること
さて、9つの言葉をどう選ぶかです。古田土会計は、月次決算書の表紙の裏を2014年4月分から変えました。タイトルは「全社員で自社の定義を共有できていますか?」です。
そこで定義した9つの項目とは、下記になります。
(1)ビジョン(理念)
(2)お客さま(誰がお客さまか)
(3)本業(何が本業かを定義することは大事)
(4)方針(明確にする)
(5)強み(全社員で共有されていない会社がほとんど)
(6)差別化(弱者の戦略)
(7)お客さま第一主義(具体的に)
(8)商品《モノを売るのではなくコト(価値)を売る》
(9)サービス(社員力の差別化)
まず、この9つのことだけに徹底的に絞り込んで覚え、反復します。そうすれば全社員がうちの会社はどういう会社かを理解し、お客さまにも自信を持って説明でき、愛社精神も湧いてきます。
古田土会計の朝礼には多くの見学者が訪れますが、その方たちへの説明はできるだけ新入社員にやってもらっています。自社の良いところを説明し、アピールすることによって、新入社員自身も自社の強みが分かってくるからです。
私は、経営計画書を作っていない会社こそ、まずこの9つの項目を定義して、全社員で共有してほしいと思っています。全社員で共有することによって一丸体制がつくれれば、会社は必ずもうかります。社員を幸せにできます。
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執筆=古田土 満
法政大学を卒業後、公認会計士試験に合格。監査法人にて会計監査を経験して、1983年に古田土公認会計士・税理士事務所を設立。財務分析、市場分析、資金繰りに至るまで、徹底した分析ツールによって企業の体質改善を実現。中小企業経営者の信頼を得る。
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人気会計士が語る、小さな会社の経営“これだけ”