ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2021.09.03
昔、古田土会計のお客さまでもある五十嵐商会の五十嵐勝昭会長から、「人生で一番楽しい日は支払日です」というお話を伺ったことがあります。
まだ30代だった私は、「逆ではないか。入金日はうれしいが支払日は先になればなるほどキャッシュフローが良くなり、会社は楽になる」とその時、思いました。
しかし、現実は五十嵐会長のおっしゃる通りでした。
支払いを延ばしたり、支払手形が多額になっていたりする企業ほど資金繰りが苦しく、倒産していきました。会社を潰さないコツは支払手形がないこと、金払いをよくすることです。支払手形の中には、金利も危険負担料も入っていますから、現金で払うことによって仕入れ値も安くなり、粗利益率も良くなります。
五十嵐商会さんは、支払手形なし、無借金、自己資本比率70%以上、損益分岐点比率80%の超優良企業です。業種は包装用品の卸売業です。
私は五十嵐会長のお話から、給料日を「社長が社員に感謝する日」と定義しました。
感謝をどう表現しようかと考え、菱幸運輸の熊谷直幸会長が社長時代に、給与を現金で支給し、家族への渡し方まで指導しているのを見て、まねさせていただきました。私が社員一人ひとりの所へ行き、「1カ月働いてくれて、ありがとうございます」と感謝の言葉を言って渡しています。
私のスケジュールの都合で給料日に会社にいない日は、前日または前々日に渡します。社員に安心してもらうために、約束の日より必ず前に渡しています。私にとって「給料日が人生で一番楽しい日」です。賞与も現金支給で、給料と同じように私が社員一人ひとりの机の所へ行って感謝の心を込めて渡します。
しかし、社員がその日の日報で「賞与がいただけるのは社長(所長)のおかげです」と書かないと、日報を書き直しさせます。
前述したように、賞与は中小企業の30%が払いたくても払えない状況です。残り70%の企業(平均社員数30名くらい)の平均も約25万円です。
例えばこの平均以上の賞与が出たら、会社に感謝していいはずです。そして感謝していても、言葉に出さないと伝わりません。だから、日報という文章にすることを強制しています。
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執筆=古田土 満
法政大学を卒業後、公認会計士試験に合格。監査法人にて会計監査を経験して、1983年に古田土公認会計士・税理士事務所を設立。財務分析、市場分析、資金繰りに至るまで、徹底した分析ツールによって企業の体質改善を実現。中小企業経営者の信頼を得る。
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