ロングセラー商品に学ぶ、ビジネスの勘所(第10回)付加価値を積み重ねたチョコボールの戦略

スキルアップ

公開日:2019.09.17

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 丸い目に大きなクチバシで人気のキャラクター「キョロちゃん」は、ぬいぐるみ、時計、携帯ストラップなどさまざまなグッズが作られています。「キョロちゃん」はもちろん、森永製菓の「チョコボール」のキャラクター。キャラメルやピーナッツなどをチョコレートで包んだ「チョコボール」は1965年に発売が開始された、チョコレート菓子のロングセラーです。(発売時の名称は「チョコレートボール」)

 森永製菓の創業は、1899年。「日本に西洋菓子を普及させる」という夢を実現させるため、森永太一郎が森永西洋菓子製造所を設立したのが始まりです。以降、「ミルクキャラメル」や「ミルクココア」などさまざまなヒット商品を生み出してきました。

 1918年に、日本で初めてチョコレート一貫製造による国産のミルクチョコレートを発売したのも同社です。1964年には「ハイクラウンチョコレート」を発売して大きな人気を博します。ただ、その頃までチョコレートは大人のためのお菓子という位置付けでした。そこで、「子どものためのチョコレート菓子を出せないか」という声が社内に上がります。

 そこで1965年に発売にしたのが「チョコレートボール」でした。この「チョコレートボール」は、当時の人気アニメ『宇宙少年ソラン』に出てくるリスのキャラクター「チャッピー」を箱に描いた、まさに子ども向けの商品です。しかし、もうひとつ売り上げが伸びません。開発陣は、「チョコレートボール」の味には自信を持っていました。味以外の付加価値を加えることを考えました。

 そこで目を付けたのが、箱の開け方でした。子どもは、何をするときにも楽しさを求めます。お菓子を食べるときにも、楽しく箱を開けられれば喜ぶのではないか。開発陣の試行錯誤が始まりました。

箱の開け方に加え、ユニークなキャンペーンも実施…

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執筆=山本 貴也

出版社勤務を経て、フリーランスの編集者・ライターとして活動。投資、ビジネス分野を中心に書籍・雑誌・WEBの編集・執筆を手掛け、「日経マネー」「ロイター.co.jp」などのコンテンツ制作に携わる。書籍はビジネス関連を中心に50冊以上を編集、執筆。

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