ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
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公開日:2021.08.23
世界中から集まった選手たちの熱戦が繰り広げられた東京五輪は8月8月に閉幕しました。競技の様子はもちろんですが、それとともに話題となったのが、関係者の日本での体験でした。限られた中ではありましたが日本を体験し、多くの取材記者を引きつけたのが日本のコンビニです。豊富な品ぞろえと食品のクオリティーの高さがSNSなどを通じて発信されました。
そうした中である記者が「最高のアイス」と評し、世界中から共感のコメントが寄せられたのが森永製菓の「チョコモナカジャンボ」です。1972年に発売を開始し、以降50年近くにわたり愛され続けているアイスクリームです。
森永製菓は、アメリカから帰国した森永太一郎が「日本に西洋菓子を普及させる」との理念の下、1899年に森永西洋菓子製造所を設立したのが始まりです。1918年には日本で初めてチョコレートの一貫製造に成功し、ミルクチョコレートを発売します。以降、バニラチョコレート、ピーナッツチョコレートなどさまざまなチョコレート菓子を開発し、1914年に発売を開始したミルクキャラメルと併せてチョコレートを主軸として事業を展開します。
戦前、日本の冷菓市場はアイスキャンデーなどの氷菓が中心でした。しかし戦後になると大手乳業会社がアイスクリームの製造を始め、1950〜1960年代の冷凍冷蔵庫の普及と相まって、口当たりの柔らかいアイスクリームが人気を博するようになります。
そこで、日本におけるチョコレート製造のパイオニア的存在である森永製菓が“森永だからできるアイス”として開発したのが「チョコモナカ」でした。風味豊かなバニラアイスを凹凸のある板チョコ形のモナカの皮で包み、その皮の内側をチョコレートでコーティング。他のアイスクリームとは違う、見た目も味も森永製菓ならではのアイスクリームを演出しました。こうして1972年、「チョコモナカ」は発売されます。
「チョコモナカ」の発展形である「チョコモナカジャンボ」は現在、森永製菓の主力商品であるばかりでなく、単品アイスクリーム市場でトップシェアを誇る大人気商品になっています。しかし、「チョコモナカ」の発売当初は、順調な売り上げを見せてはいたものの、大ヒットまでには至りませんでした。1980年にはバニラアイスの中にチョコレートソースを入れてデラックス仕様にモデルチェンジし、名称を「チョコモナカデラックス」と改めて売り出しますが、売り上げは大きくは変わりません。
状況が変わり始めたのは1996年です。この年に大きなリニューアルを行い、バニラアイスの中に入れていたチョコレートソースを板チョコにしました。また、モナカの皮の山を12山から18山に増やします。サイズが大きくなったので、名前も「チョコモナカジャンボ」に変更しました。さらに1998年には決定的ともいえる改良が行われました。
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執筆=山本 貴也
出版社勤務を経て、フリーランスの編集者・ライターとして活動。投資、ビジネス分野を中心に書籍・雑誌・WEBの編集・執筆を手掛け、「日経マネー」「ロイター.co.jp」などのコンテンツ制作に携わる。書籍はビジネス関連を中心に50冊以上を編集、執筆。
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