ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
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公開日:2022.08.30
夏の仕事終わりに飲む生ビールはなんとも言えない爽快さがありますが、ビールのおいしさは暑い夏が終わっても続きます。数あるビールの銘柄の中でも高い人気を誇っているのが、アサヒビールの「アサヒスーパードライ」。1987年に発売されて以来、35年にわたって愛され続けているビールのロングセラーです。
アサヒビールは、1889年に設立された大阪麦酒会社を前身とします。同社が1892年に発売したのが「アサヒビール」。昇る朝日のような発展をと願って名付けられた「アサヒビール」はコロンブス世界博覧会、パリ万国博覧会で最優等賞を受賞し、1897年にはビヤホール「アサヒ軒」もオープンするなど、大阪麦酒会社の看板商品のひとつとなりました。
大阪麦酒会社は1906年に日本麦酒、札幌麦酒と合同して大日本麦酒となり、一大ビールメーカーとして活動します。しかし第2次世界大戦後、1947年に成立した過度経済力集中排除法によって、1949年、アサヒビールのブランドを受け継ぐ朝日麦酒と、サッポロビール・ヱビスビールのブランドを引き継ぐ日本麦酒に分割されました。
戦後の高度成長の中、ビールは冷蔵庫の普及やビアガーデン人気などで消費量を大きく伸ばしていきましたが、東日本の販路を日本麦酒に譲った朝日麦酒は市場シェアを落とし続け、“夕日”ビールという揶揄の声が聞こえるまでになっていました。
そんな中、1982年に住友銀行(当時)から村井勉が入社し、社長に就任。経営の立て直しを図ります。
市場シェアを回復するため、朝日麦酒は1985年に新しいCI(コーポレート・アイデンティティー)を設定しました。それが、「消費者の求める商品を提供する」でした。企業が良いと考えて出した商品を消費者に提供するプロダクトアウトから、消費者の声や視点を重視して商品を開発するマーケットインへの転換です。
このCIに基づき、5000人の消費者を対象に嗜好調査を実施しました。事前の予測では、当時大きな市場シェアを持っていた「重くて、苦い」ビールが好まれていると思われました。しかし結果を見ると、消費者が求めていたのは「のどごしの快さ」、言い換えると“キレ”だったのです。
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執筆=山本 貴也
出版社勤務を経て、フリーランスの編集者・ライターとして活動。投資、ビジネス分野を中心に書籍・雑誌・WEBの編集・執筆を手掛け、「日経マネー」「ロイター.co.jp」などのコンテンツ制作に携わる。書籍はビジネス関連を中心に50冊以上を編集、執筆。
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