ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2020.09.10
パフォーマンス心理学の最新の知見から、部下をやる気にする方法を紹介する連載。部下に対して効果的にメッセージを伝える方法を紹介する第9回は、その前提となる部下の話の聞き方と大事なことを伝えたいときのポイントです。部下にメッセージを伝えるためには、部下からのメッセージの受け取り方も大切です。また、大事なことをきちんと伝えるには、効果的なセオリーがあります。
部下の感情にまで届くメッセージ発信の技術(9)
何か部下が言ってきたとき「君の言うことはこうだよね。だけど、僕はさ」とすぐに言い出す上司がいます。黙って話を聞きながら、「そうなんだ。しかしね」と言うのも同じです。部下が何を言っても取りあえず否定する上司です。相手の言うことはダメで、自分の言うことはいいことなのだという凝り固まった固定観念が思わず出てしまったものです。
アサーティブ(assertiveness:自己主張)メソッドとは、相手を尊重しながら、自分の意見や要望を伝えるコミュニケーションの方法です。自分も正しい、そして、相手も正しい。つまり「I am OK, you are OK」の考え方がアサーティブな考え方です。
常に「I am OK, you are NO」という上司では、上司本人は気分が良くても、部下は傷つきます。逆に「You are OK, I am NO」ばかりでは、いつも相手に迎合して自分にストレスがたまります。上司と部下の間柄でも、両方OKにするのが一番生産的なのです。
「そうだね。しかし」と逆接の接続詞を使うと、相手の心に「しかし」という逆接だけが残り、途端に部下は「また何か文句を言われるかもしれない」と内心身構えてしまいます。
ですから、「君の考えはそうだね。そして僕はね」というふうに、必ずandの順接でつないであげましょう。これができると、両者がOKだという、同等感や連帯感のある素晴らしいチームが完成していきます。上司の物の言い方は、win-winであることが部下から自由な発言を引き出す条件です。
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執筆=佐藤 綾子
パフォーマンス心理学博士。1969年信州大学教育学部卒業。ニューヨーク大学大学院パフォーマンス研究学科修士課程修了。上智大学大学院博士後期課程満期修了。日本大学藝術学部教授を経て、2017年よりハリウッド大学院大学教授。国際パフォーマンス研究所代表、(一社)パフォーマンス教育協会理事長、「佐藤綾子のパフォーマンス学講座R」主宰。自己表現研究の第一人者として、首相経験者を含む54名の国会議員や累計4万人のビジネスリーダーやエグゼクティブのスピーチコンサルタントとして信頼あり。「自分を伝える自己表現」をテーマにした著書は191冊、累計321万部。
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部下のやる気に火をつける方法