オフィスあるある4コマ(第45回)
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公開日:2020.03.16
私たちの生活にも浸透しつつあるAIですが、「具体的なことはよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。AIはこれからも進化を続けることが予想されるため、知識は少しでも身に付けておいたほうが良いといえます。
今回はAIについてよく分からないという方向けに、AIの定義や歴史について解説し、具体的な例についてもご紹介します。
そもそもAIとは何か、どのような歴史をたどって今に至るのか、といった基本的なAIの概要について解説します。
<AIの定義と正式名称>
AIの正式名称は「Artificial Intelligence」となり、日本語で表すと「人工知能」です。AIの定義にはさまざまな意見がありますが、おおむね「人工的につくられた人間のような知能や技術」を表すことが多いといえます。
AIには大きく次の2つの特徴があります。
・自律性
・適応性
自律性とは、常に人間による誘導(操作)を必要とせず、作業を実行することを指します。適応性は経験から学び、パフォーマンスを自分自身で改善するということです。
まとめると、AIは人工的につくられ、全自動または半自動で作業を実行でき、経験からパフォーマンスを改善できる知能や技術、といえます。
<AIの歴史>
AIの歴史は古く、1956年ごろに学問分野としてその歴史が始まりました。AIの歴史はブームと冬の時代を繰り返しており、現在は第3次ブームに該当します。
・第1次ブーム:推論・探索の時代(1950年代後半~1960年代)
・第2次ブーム:知識の投入でAIが賢くなる時代(1980年代)
・第3次ブーム:機械学習・深層学習(ディープラーニング)技術の発展(現在)
ブームのたびにAIの技術は進化しましたが、技術的な課題などにより、一時的に人気が下がる時期が冬の時代となります。
第1次ブームでは、AIは主にゲームやパズルを解くことを主目的としていました。ですがコンピューター性能の限界により、冬の時代が訪れました。第2次ブームでは、専門的な知識をコンピューターに投入し、複雑な問題をAIに解かせる試みが行われました。しかし、専門知識の投入の煩雑さや例外処理を柔軟に対応できず、またもや冬の時代に突入してしまいます。
その後、機械学習・深層学習(ディープラーニング)技術の発展により、第3次ブームが起こり、現在に至っています。画像認識や自動応答などに活用されはじめ、AIはより実用的な技術へと昇華したのです。
<AIの発展に欠かせない機械学習とディープラーニング>
第3次AIブームを支える技術として、機械学習とディープラーニングは欠かせません。機械学習とは、コンピューターが自ら学習を行うことであり、機械学習によってコンピューターは入力されたデータの分類・認識が行えるようになります。
ディープラーニングは、機械学習の1つの手法です。「十分なデータ量があれば、人間の力なしに機械が自動的にデータから特徴を抽出してくれるディープニューラルネットワークを用いた学習」を表します。人間の脳神経回路を模したアルゴリズムです。
機械学習によるコンピューターの学習方法が確立され、ディープラーニングによって学習精度が高まったといえるでしょう。
AIはさまざまな場面で利用されていますが、大きく2つの種類に分けられます。ここではその2つに該当する特化型AIと汎用型AIについて、それぞれの定義や特徴を見ていきましょう。
<特化型AIとは>
特化型AIは、特定の決まった作業を実行するAIです。例えば、車の自動運転や人との会話、ゲームの相手など、特定の1つの作業に特化しているAIとなります。
限定された作業に特化することで、人間以上のパフォーマンスを発揮するケースも珍しくありません。囲碁AIの「AlphaGo」が分かりやすい例で、囲碁の世界チャンピオンに勝てるほどの能力です。
現在、世の中に普及するAIのほとんどが特化型AIです。特化型AIは機能を特化させることで、汎用型AIと比べてデータ収集や構築が容易にできる特徴があります。手書きの文字をデジタルデータ化するなど、人間の作業を効率化する目的で利用されることが多いAIです。
<汎用型AIとは>
汎用型AIは特化型AIと違い、特定の作業に限定せず、人間のようにさまざまな作業・課題を解決するAIです。汎用型AIはより人間に近い知能・思考を持ち、あらゆる汎用的な作業を行います。
現時点では、構築難易度の高さなどから汎用型AIは実用化されるまでのものは存在しません。しかし、これからのAI技術の発展により、ブレークスルーが発生すれば、汎用型AIが普及する可能性もあります。
汎用型AIを語る上で覚えておきたい単語として「シンギュラリティ」があります。シンギュラリティとは、AIが発達し人間の知性を超えることを表しています。汎用型AIが完成するとシンギュラリティが起きるといわれているのです。
人工知能研究の権威であるレイ・カーツワイル氏が執筆した「The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology」の中では、2045年にシンギュラリティへ到達すると予想されています。
現在、さまざまな場面でAIが利用されていますが、具体的にどのような場面で利用されているのでしょうか。ここでは、日常生活とビジネスシーンに分けて、具体例を紹介します。
<日常生活で使われているAI>
日常生活で使われるAIの例としては、次のものが挙げられます。
・お掃除ロボット
・AI搭載エアコン
・スマートスピーカー
・自動車の自動運転
・スマホの顔認証
など
お掃除ロボットでは、AIで部屋をマッピングして、隅々まで自動的に掃除することが可能です。AI搭載エアコンは、外気温や室温の変化を学習し、人間にとって最適な温度を保つように自動的に判断して、温度を管理できます。
スマートスピーカーは話しかけることにより言葉を認識し、AIが最適な回答をしたり、指示された動作を行ったりします。自動運転や顔認証も同様に、人間の認識・判断・行動といった一連の流れを、AIによって自動化・効率化します。
日常生活で使われるAIは、私たちの生活をより便利で快適に過ごすために利用されます。
<ビジネスシーンで活躍しているAI>
ビジネスシーンで利用されるAIの例としては、次のものが挙げられます。
・ビッグデータ解析
・ヘルプデスク用のチャットボット
・クレジットカードの不正使用検知
・検索エンジンの最適化
・働き方の見える化
など
ビッグデータとは、さまざまな種類・性質を持つ大量データを表します。データ量が多くなるほど、分析には多大な時間を要しますが、AIを活用することで価値のあるデータを見いだすのが可能です。
ヘルプデスク用のチャットボットは、24時間365日稼働させられ、あらゆる質問に対して答えを示せる可能性があります。そのため、人間の作業負担を減らすことができます。
クレジットカードの不正使用検知や検索エンジンの最適化では、人間の振る舞いをAIが覚えることにより異常な振る舞いを検知したり、より最適な結果を提示できたりします。
働き方改革が叫ばれる昨今は、日々の業務の効率化を迫られる企業も少なくありません。業務の効率化のためには、日々の業務の可視化が重要であり、そのためにAIを活用する例も多くあります。特にビジネスシーンで活躍しているAIは、業務効率化に用いられることが多く、これからもAIは開発され続けると予想されます。
AIは、人工的につくられた人間のような知能・技術で、1950年代後半から開発され続けており、現在は第3次ブームに該当します。AIを大きく分けると特化型AIと汎用型AIになりますが、現在普及しているAIのほとんどは特化型AIです。お掃除ロボットや自動運転など、日常生活で利用されるAIや、ヘルプデスク用のチャットボットや働き方の見える化など、ビジネスシーンで活躍するAIが存在しています。
特に企業においては、働き方改革に伴う業務効率化が求められます。NTT西日本では、パソコン業務の働き方をAIで見える化する「おまかせAI 働き方みえ~る」をご用意しています。業務効率化のためには、日々の業務の見える化は欠かせません。しかし、日々の業務と合わせて対応することが難しく、なかなか対応できないという企業の方も多いのではないでしょうか。
「おまかせAI 働き方みえ~る」では、NTT西日本グループが独自開発したAIによって膨大なパソコンの業務データから「重点的に対策すべき業務」を毎月分析し、レポートをご提供します。導入に不安のあるお客さま向けに専用のヘルプデスクもご用意していますので、日々の業務の見える化にお困りの方は、ぜひ一度お問い合わせください。
※掲載している情報は、記事執筆時点のものです
執筆=太田 勇輔
ネットワークスペシャリスト、情報セキュリティスペシャリスト保有。インフラエンジニアとして、官公庁や銀行などのシステム更改をメインに10年従事した後、IT関連ライターとして活動中。プログラミング、ネットワーク、セキュリティなどの解説記事を中心に執筆している。
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