ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
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公開日:2020.09.30
派遣社員の勤怠管理は、正社員の勤怠管理に比べて煩雑になる場合があります。その理由としては、雇用形態や勤務形態がさまざまであり、派遣元会社と派遣先会社間の連携に手間がかかることが挙げられます。そんな煩雑な派遣社員の勤怠管理には、勤怠管理システムを導入するのがお勧めです。
今回は、派遣社員の勤怠管理について詳しく解説するとともに、勤怠管理システムの概要や導入のメリット、勤怠管理システムを選ぶ際のポイントを紹介します。
派遣社員の勤怠管理は多くの場合、派遣社員・派遣元会社・派遣先会社の3者にとって複雑で面倒なケースがあります。では、なぜ派遣社員の勤怠管理は煩雑になってしまうのでしょうか。その理由は、派遣社員の雇用形態や勤務形態が多岐にわたり、派遣元・派遣先会社でそれぞれ管理項目が異なるからです。具体的に派遣元・派遣先会社における管理項目や責任としては、次のように分けられます。
・派遣元会社……給与支払い、年次有給休暇の付与
・派遣先会社……労働時間、休憩時間の管理
派遣元会社は、派遣社員の派遣先会社での労働時間などを把握したうえで、給与支払いなどを行います。しかし、タイムシートの記載漏れや誤りなどの対応で、差し戻しが発生すると、非常に手間がかかってしまうときがあります。
派遣先会社としても、派遣社員の勤怠データを派遣元に送付する作業が発生します。また、派遣社員がそれぞれ異なる勤怠システムを利用している場合もあり、承認やチェック作業に時間がかかります。
派遣社員としても勤怠を二重に入力しなければならず、残業や休日出勤などの申請も煩雑です。このように、派遣社員の勤怠管理は3者にとって複雑で面倒なものになってしまっているのです。
勤怠管理は月単位で行うケースがほとんどです。勤怠管理を効率よくできるようになれば、毎月の業務負担を減らせ、管理業務全体の効率化にもつながります。
煩雑になりがちな派遣社員の勤怠管理における問題点を解決するためには、勤怠管理システムの導入がお勧めです。
<勤怠管理システムとは>
勤怠管理システムとは、従業員の勤怠状況を管理するためのもので、従業員の情報や仕事の状況も一括管理できます。Excelやタイムシートなどの手動管理では煩雑になりがちな勤怠管理も、システム化すればさまざまなメリットを得られます。
勤怠管理システムでできることや、勤怠管理システム導入に関するメリット・デメリットを詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
<派遣の勤怠管理でシステムを導入するメリット>
派遣社員の勤怠管理において、勤怠管理システムを導入するメリットとしては、次が挙げられます。
(1)ヒューマンエラーの削減
雇用形態や勤務形態に合わせシステマチックに勤務管理が実施でき、派遣社員の打刻漏れや記入ミスといったヒューマンエラーを削減できます。また、自動的に勤怠情報が集計されるため、集計時に起きがちなヒューマンエラーも削減可能です。
(2)派遣元、派遣先での管理の一括化
クラウド型の勤怠管理システムを導入すれば、派遣元・派遣先での管理を一括化できます。勤怠管理の一括化によって、3者それぞれにメリットが得られます。
・派遣社員……勤怠入力の手間を削減
・派遣元会社……派遣社員の勤怠をリアルタイムに把握できる
・派遣先会社……承認作業の手間を削減
(3)勤怠管理の効率化
勤怠管理システムの導入で、派遣社員の勤怠管理も効率化できるようになります。例えば、派遣社員一人ひとりのタイムシートを集計しなければいけないところ、システムでは自動化され、派遣元・派遣先会社の間でタイムシートを送付する手間も省けます。派遣社員としても、1つの勤怠管理システムで残業などの申請が行え、効率がアップします。
このように、勤怠管理システムを導入することで、派遣社員・派遣元会社・派遣先会社の3者ともにメリットが得られます。
便利で業務効率化にもつながる勤怠管理システムですが、派遣社員・派遣元会社・派遣先会社の3者にとってメリットを得られるシステムを選択することが大切です。ここでは、派遣社員の勤怠管理システムを選ぶ際のポイントを紹介しますので、1つずつ見ていきましょう。
<システム導入によるコストパフォーマンス>
システムを導入するだけでは業務の効率化は実現しません。勤怠管理業務におけるボトルネックをしっかりと把握したうえで、その問題点を解決できるシステムを導入するべきです。勤怠管理システムとして多機能なものを導入しても、使わない機能ばかりでは意味がなく、コストパフォーマンスを考慮して選択することが重要です。
<必要経費について>
勤怠管理システムの導入には、もちろんコストがかかりますが、初期費用だけでなく維持管理のランニングコストも考慮しなければなりません。勤怠管理システムにどれだけの予算を割り当てられるのかをしっかりと把握し、システムを選択しましょう。
<勤怠状況以外も管理できるか>
勤怠管理システムは、日々の勤務状況を入力して管理するだけのものではありません。例えば、有給休暇の管理は重要な要素の1つです。2019年4月からは有給取得が義務化され、会社としても有給休暇の取得状況を管理する必要があります。日々の勤怠状況だけでなく、有給休暇や残業・休日出勤の申請など、勤怠状況以外も幅広く管理ができるかどうかは、システムを選択する際のポイントです。
<多種多様な雇用形態、勤務形態に対応できるか>
雇用形態や勤務形態は会社ごとに異なり、シフト勤務などを含めると、より多種多様になるでしょう。そのため、さまざまな雇用形態や勤務形態に対応できるようなカスタマイズ性(拡張性)がシステムに備わっているかどうかは、導入前にしっかりと確認する必要があります。
<派遣社員にも使いやすいか>
勤怠管理システムを導入しても、派遣社員が使いづらいと感じてしまうようなシステムでは効果を最大化できません。使いづらいシステムの場合、入力ミスなどが発生する可能性もあるため、使いやすさは重要なポイントです。
<勤怠データ以外のデータとの連携ができるか>
勤怠管理システムのなかには、他システムとの連携が行えるものも多く存在します。例えば、給与支払いソフトと連携した場合、勤怠に応じた給与の計算が自動的にできるようになります。勤怠管理に関する業務プロセスの全体像を「視える化」することで、システム導入における効果を最大限に発揮できるようになるのです。勤怠データ以外のデータとの連携ができるかどうかはしっかりと確認しておくべきです。
派遣社員の勤怠管理は煩雑になる場合があります。勤怠管理システムを導入することで、「ヒューマンエラーの削減」や「派遣元、派遣先での管理の一括化」といった業務効率化につながるメリットを得られます。派遣社員・派遣元会社・派遣先会社の3者それぞれの業務効率化につながるため、勤怠管理システムは導入するべきといえるでしょう。
勤怠管理システムを選択する際に見るべきポイントとして、「導入によるコストパフォーマンス」「勤怠状況以外の管理」「他システムとの連携」などがありますが、効果を最大化させるためには勤怠管理全体の「視える化」が欠かせません。効果を最大化させてこそ、派遣社員の勤務実態を効率的に把握できるようになるのです。
しかし、勤務管理システム単体で派遣社員の勤務実態を把握するのは難しく、手間もかかりそうだと感じるかもしれません。NTT西日本ではパソコン業務の現状の働き方をAIで視える化するサービス「おまかせAI 働き方みえ〜る」を提供しています。このサービスは、NTT西日本グループ独自に開発したAIによって膨大な業務データから、働き方の課題の「視える化」をサポートするものです。
働き方改革への対応を進めるためにも、勤怠管理システムの導入と併せて、サービスの利用を検討されてはいかがでしょうか。導入に際しては専用ヘルプデスクも用意しておりますので、お気軽にご相談ください。
※掲載している情報は、記事執筆時点のものです
執筆=太田 勇輔
ネットワークスペシャリスト、情報セキュリティスペシャリスト保有。インフラエンジニアとして、官公庁や銀行などのシステム更改をメインに10年従事した後、IT関連ライターとして活動中。プログラミング、ネットワーク、セキュリティなどの解説記事を中心に執筆している。
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