オフィスあるある4コマ(第45回)
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公開日:2020.03.31
防犯カメラを設置する際は、録画方法についても併せて検討するケースが多いでしょう。防犯カメラの映像を録画する方法はいくつかありますが、それぞれに特徴があり、どの方法を選ぶべきかお悩みの方も多いのではないでしょうか。
今回は、防犯カメラのタイプや録画する方法を解説し、録画時間が左右される要因や録画方法を決めるときのポイントなどについて紹介します。
防犯カメラは大きくアナログカメラ、ネットワークカメラの2つのタイプに分けられますが、それぞれに特徴があり録画方法にも関係する部分です。特徴を1つずつ見ていきましょう。
<アナログカメラ>
昔からあるのがアナログタイプの防犯カメラです。アナログカメラの多くは、録画機能が付いていないので、録画する場合は別途録画機器が必要です。カメラと録画機器を接続してローカル環境にすべてのデータを保存します。
インターネットにつながなくてもデータの管理ができ、複雑な設定も必要としないことから、比較的簡単に利用できます。
また、後述のネットワークカメラに比べて映像画質がよく、価格も安価な傾向があります。
<ネットワーク(無線)カメラ>
ネットワークカメラ、IPカメラというネットワークタイプの防犯カメラは、インターネットへの接続ができる点がアナログカメラとの大きな違いです。
インターネットに接続するため、外出先でパソコンやスマートフォン、タブレットなどから監視映像を確認できます。また、遠隔操作でカメラを上下左右に動かせるものも多く販売されています。
さらにネットワークカメラの種類によっては、内蔵マイク・内蔵スピーカーでコミュニケーションツールとしても利用可能です。アナログカメラと比べて、幅広い使用用途に対応する点もネットワークカメラの特徴といえるでしょう。
防犯カメラの映像を録画する方法(媒体)としては、4つ挙げられます。それぞれに特徴があるので、1つずつ見ていきましょう。
なお、媒体ごとに録画できる時間(日数)の目安を記載していますが、録画する際の画質、設定などによって録画できる時間は変動します。
※本記事では、100万画素のカメラでフレームレートは30fps、録画方式がH.264、連続録画を想定して計算
<HDD(ハードディスク)>
HDDは、他の録画媒体と比較すると大容量で価格が安い特徴があります。ただし、サイズが大きく、振動に弱いため、カメラに直接挿入しての利用はほとんどありません。多くは専用の録画機器に内蔵され、アナログカメラの録画方法として多く利用されます。
HDDとして一般的な2テラバイト(TB)以上の容量があれば、27日間程度の録画が可能です。
<SDカード>
SDカードは非常に小型の録画媒体で容量は多くありませんが、価格が安いのが特徴です。ただし、他の記録媒体と比べると壊れやすく、定期的な交換が必要です。
SDカードは小型なので、アナログカメラ・ネットワークカメラを問わず、多くの防犯カメラで録画媒体として利用されています。
SDカードとして一般的な512GB以上の容量があれば、6日間ほどの録画が可能です。
<SSD>
SSDは、記録媒体として一般的になりつつあります。HDDと比べて振動に強く、音が静かで省電力なのが特徴です。屋外の防犯カメラの記録媒体として利用されるケースが多いようです。なお、HDDよりも容量に対して単価が高い傾向があります。
SSDとして一般的な1TB以上の容量があれば、13日間ほどの録画が可能です。
<クラウド>
クラウドはこれまで紹介したものと異なり、物理的な記録媒体ではありません。ネットワークを通じて、インターネット上に録画データを保存します。
初期費用は安く済みますが、月額課金制であることが多いため、ランニングコストは4つの録画方法の中で最も高くなります。また、ネットワークを通じて録画データを送信しているため、ネットワークが切断すると録画が停止するのもデメリットでしょう。ですが、インターネットにつながってさえいれば、パソコンやスマートフォン、タブレットなどでいつでも録画データを閲覧可能な点は大きなメリットです。
クラウドの録画時間は、クラウドサービスごとに異なるものの、料金を支払えばほとんどの場合、容量を超えることはないと考えて問題ありません。
防犯カメラの録画可能時間は、常に一定ではありません。次に紹介する要因によって、録画可能時間は左右されます。
<記録媒体の容量>
先ほど録画方法で解説した通り、記録媒体ごとに保存できる容量には限りがあります。どの記録媒体を選択するかによって、録画可能時間は大きく異なります。
<カメラの台数>
カメラ1台ごとに、それぞれの記録媒体で映像を保存する場合は関係ありませんが、複数のカメラ映像を1つの記録媒体に保存する場合は、カメラの台数が録画可能時間に影響します。
台数が増えるほど、録画データも増え、録画可能時間は短くなります。
<画素数や解像度>
画素数や解像度が高いほど、録画可能時間は短くなります。画素数や解像度が高くなると録画映像は鮮明になりますが、データ量が多くなるためです。
また、圧縮方式によっても、録画可能時間は大きく左右されるのを覚えておきましょう。
<フレームレート(fps)>
フレームレートは、1秒あたりのフレーム数を表す単位です。映像が1秒間で何枚の画像から構成されているかを示します。
フレームレートは30fpsや60fpsから選択しますが、フレームレートが高くなるほどデータ量も増え、録画可能時間は短くなります。
防犯カメラの録画方法や、録画時間を決める際には、次の2点のポイントを意識しましょう。
・防犯カメラの用途、目的
・防犯カメラの設置場所
監視目的など、いつ起こるかわからない事象に対して使う場合は、長期間の録画が必要になります。その場合は、HDDやクラウドなどの録画方法を選択するのが無難です。
防犯カメラの設置場所によって、録画方法が限定される可能性も考えなければなりません。屋外カメラで録画したい場合は、ネットワークが通じていなかったり、HDDに対応していなかったりするため、保存方法としてHDDやクラウドが、そもそも選択できない場合があります。
そのようなときは、屋外カメラに直接挿入するSSDやSDカードを用いての録画を検討しなければなりません。
このように、防犯カメラの用途や目的、設置場所をきちんと確認することが、録画方法や録画時間を決める際のポイントとなります。
防犯カメラの録画方法は、カメラのタイプによって選択肢が限られる場合があります。そのため、防犯カメラの映像を録画したい場合は、カメラのタイプにも気を付けましょう。
録画する方法としては、HDD・SDカード・SSD・クラウドの4つから選択します。それぞれに特徴やメリットがありますが、ネットワークカメラを利用する場合は、クラウドがお薦めです。インターネットにつながってさえいれば、外出先からでも映像を確認可能であり、録画時間も自由に選択できるからです。
防犯カメラの録画を検討しているならば、録画時間が左右される要因についても把握しておきましょう。また、録画方法や録画時間を決める際には、防犯カメラの用途・目的・設置場所を確認することがポイントとなります。
NTT西日本では、防犯カメラ・監視カメラのクラウドサービス「クラウド型カメラとれ~る」を提供しています。録画データはセキュアなクラウド環境上に保存しており、30・60・90・180日の録画時間(データ保存期間)から選択可能です。また、保守管理不要でBCP対策としても利用できます。
インターネット接続環境さえあれば、簡単設置で場所を選ばずカメラ映像を確認できるサービスです。パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットなどで、外出先からでもカメラ映像や録画データを確認できます。
トラブル時も遠隔で不具合の原因調査を行うなど、安心のサポート体制も用意されています。防犯・監視カメラを検討中であれば、ぜひ一度お問い合わせください。
※掲載している情報は、記事執筆時点のものです
執筆=太田 勇輔
ネットワークスペシャリスト、情報セキュリティスペシャリスト保有。インフラエンジニアとして、官公庁や銀行などのシステム更改をメインに10年従事した後、IT関連ライターとして活動中。プログラミング、ネットワーク、セキュリティなどの解説記事を中心に執筆している。
【M】
IT化スモールスタート解説