ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
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公開日:2021.01.20
アフターコロナ時代の組織マネジメントはどうあるべきか?ライフネット生命の創設者であり立命館アジア太平洋大学(APU)学長を務める出口治明氏がその本質を語ります。
<目次>
・コロナでマネジャーの無能が露呈するワケ
・年間2000時間労働でもGDP成長率は1%
・「良い子」の中からスティーブ・ジョブズは生まれない
・“日本らしさ”にこだわらず、変化に適応できる者だけが生き残る
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、テレワークを導入する企業が増えています。しかし、オフィスで顔を合わせる機会が少なくなることで、組織や部下のマネジメントは、従来よりも困難になることが予想されます。
出口氏も、コロナ禍における組織のマネジメント手法に問題があることを指摘します。日本企業は人材マネジメントの方法を、従来のやり方から根本的に変える必要があると主張しています。
「テレワークに移行して生産性が下がった企業もあると聞きますが、端的にいえばそれはマネジャーが仕事の振り分けをうまくできなかったことが原因です。マネジャーは、組織が達成すべき最終的なアウトプットをイメージして仕事を分割し、部下に明確に指示しなければいけません。従業員が同じ空間にいないテレワークの環境は、マネジャーの能力が浮き彫りになるといえるでしょう」
出口氏は、国内生命保険大手の一角である日本生命で、海外現地法人社長を含む数々の要職を歴任してきました。退職後、2006年にネットライフ企画(現:ライフネット生命)を設立、さらに2018年から、APU初の民間出身学長に就任したユニークな経歴を持つ人物です。
大企業、スタートアップ、教育機関など、さまざまな立場で組織のマネジメントを経験してきた出口氏は、結果が出せないマネジャーの特徴として、部下を「育てる」という意識を持ち過ぎていると指摘します。
「そもそも人材を『育成する』という考えが間違いです。人にはそれぞれ特徴があり、個性があります。それは研修や教育で身に付くものではありません。部下と向き合って面談し、個人の希望や個性、適性を見極めた上で適切な仕事を割り振っていく。それがマネジャーの役割です。野球の監督と同じように、うまく打順や守備位置を決めなければ結果につながらないのです。いくら研修しても全員が150㎞/hの速球を投げられるわけではありません」
つまり、マネジャーの仕事とは「人を教育して変える」のではなく、「適切な人材配置を考える」ことである、というのが出口氏の考えです。
「やりたいことを見つけ、頑張って働くことが社員の幸せでもあり、企業にとっても幸せのはずです。『ずっと自社で働いてもらうのだから、どの部署でも使えるように』という発想の下、適性を無視してジェネラリストを育てようというのは、終身雇用制度の遺物であり、今やゆがんだ考えであることを理解しないといけません」
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出口 治明(でぐち はるあき)
立命館アジア太平洋大学(APU)学長。京都大学法学部卒業後、日本生命に入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年に同社を退職。2008年にライフネット生命を開業し、2012年に上場。2017年に同社を退職後、2018年1月より現職。
【TP】
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