ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2024.02.27
<目次>
・2015年に「介護離職ゼロ」を目指したはずが、増えている
・「介護休業」と「介護休暇」は何が違うのか?
・企業が労働者からの申し出を断るのはパワハラ
介護を理由に仕事を辞める「介護離職」が増加しています。
総務省統計局が2023年7月に発表した資料「令和4年就業構造基本調査」によると、直近1年で介護・看護のために離職した介護離職者の数は10万6000人で、2017年の調査と比べて7000人増加しています。
同資料によると、現在介護をしている人の数は約629万人で、2012年調査の約557万人、2017年調査の約628万に続いて増加傾向にあります。さらに、働きながら介護をしている有業者、いわゆるビジネスケアラーは約365万人と、こちらも増加しています(2012年調査は約291万人、2017年調査は約346万人)。
日本政府は2015年に発表した「一億総活躍社会」の取り組みの一環として、団塊の世代が70歳を超える2020年以降も、その子どもたちである団塊ジュニア世代が、介護しながら仕事を続ける「介護離職ゼロ」という方針を掲げていました。しかしながら、それから数年たった現在、残念ながら介護離職者はゼロになるどころか、逆に増加しています。ただでさえ少子高齢化で労働力が減少する中、介護離職者が増加し働く人がさらに減少していけば、日本経済の停滞が懸念されます。
介護離職の発生を抑え、仕事と介護を両立するためには、国や自治体が実施しているさまざまな社会保障制度の利用が有効です。
例えば「介護休業」制度もその1つです。介護休業は育児・介護休業法に基づいた制度で、2週間以上にわたって常時介護が必要な「要介護状態」の家族を持つ労働者が取得できます。対象となる家族は、配偶者(事実婚含む)/父母/子/配偶者の父母/祖父母/兄弟姉妹/孫です。休業期間は家族1人につき通算93日までで、休業する2週間前までに、書面にて会社に申請します。
介護休業を取得した労働者は、「介護休業給付金」を受給できます。給付額は、休業期間中に会社から賃金が支払われていない場合と、支払われている場合で異なり、賃金が支払われていない場合、「休業開始時賃金の日額×支給日数×67%」が受給可能です。
もし介護休業時に会社から賃金が支払われている場合、支給額は休業開始時賃金の日額の80%を超えないよう調整されます。そのため、休業時に賃金の80%以上を受け取っている場合、介護休業給付金の支給はありません。
介護休業に似た制度として「介護休暇」もあります。これは介護休業と同様、家族が要介護状態にある労働者が取得できる休暇で、対象家族が1人の場合は年5日まで、2人以上の場合は年10日まで取得できます。
介護休暇を取得する際には、必ずしも書面で申請する必要はなく、口頭でも可能です。ただし、介護休暇中の給与については法的な決まりがなく、支払う/支払わないは会社の方針や就業規則によって異なります。
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