ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2024.03.25
<目次>
・「Wi-Fi 7」が2023年末に解禁。従来とは何が違うのか?
・無線でも高速通信が可能。リアルタイム性が重視される現場に最適
・Wi-Fi 7を急いで導入する必要はない?
2023年12月末、総務省は電波法施行規則を改正し、新たな無線LANの通信規格「IEEE 802.11be」の利用を認可しました。
このIEEE 802.11beは、無線LANの普及促進を目的とした業界団体「Wi-Fi Alliance」によって「Wi-Fi 7」と名付けられています。Wi-Fi 7は、日本では2021年2月にスタートした「Wi-Fi 6E」に次ぐ、最新のWi-Fi規格です。
2023年末にWi-Fi 7の解禁が報じられた後、各社から続々とWi-Fi 7に対応したルーターの新製品が発表されており、その中にはすでに購入したり、導入の検討をスタートしたりしている企業もあるかもしれません。
Wi-Fi 7は、従来のWi-Fiとは何がどう違うのでしょうか?
Wi-Fi 7が従来のWi-Fiと比べて特に優れている点は、最大通信速度にあります。
Wi-Fi 7は、Wi-Fi 6Eと同様に2.4GHz、5GHz、6GHzの周波数帯が使用できますが、このうち6GHz帯にて、最大帯域幅が新たに320MHzまで拡大(従来は160MHzまで)しています。より広い帯域が利用できるようになったため、データ転送量が増え、通信スピードが高速化しました。
さらに、「4K-QAM(4096QAM)」「MLO」という、新たな技術も加わっています。4K-QAMとは、Wi-Fi通信のデジタルデータを電波に変換する変調技術の方式の1つで、Wi-Fi 6Eで採用された「1K-QAM」方式と比べて、1つの信号で送信できる情報量が1.2倍に増えています。
もう1つのMLOとは「マルチリンク機能(Multi Link Operation)」の略で、異なる周波数帯にまたがって、柔軟にデータ伝送を行う機能のことです。MLO機能がない場合、デバイスは1つの周波数帯のみを選択して通信を行いますが、MLO機能がある場合、デバイスは異なる周波数帯を利用して通信を行います。
これらの技術によって、Wi-Fi 7は従来のWi-Fiよりも高速に通信ができるようになりました。総務省が発表した資料によると、Wi-Fi 7の最大通信速度(理論値)は46Gbpsで、これはWi-Fi 6/Wi-Fi6Eの9.6Gbpsの約4.8倍も速い数値です。
さらに、データの伝送遅延、信号伝送時間のズレや揺らぎもなくなるため、映像や音声を通信する際の乱れや遅延を抑制できるようになります。AR(拡張現実)やVR(仮想現実)、eスポーツなどのゲーム、ロボットアーム制御などの産業用途、医療における高速データ通信のような、リアルタイム性が求められる場面でも、問題なく無線通信を利用できることが期待されます。
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