ニューノーマル処方箋(第54回)トラックの運賃が上がる?国土交通省が「標準的運賃」を改定

業務課題 人手不足対策 法・制度対応

公開日:2024.07.30

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<目次>

・2024年春は、「物流の2024年問題」以外にも大きな変化が

・運賃は平均で8%値上げ、燃料費も1L100円→120円に

・値上げは物流力を維持するための投資である

2024年春は、「物流の2024年問題」以外にも大きな変化が

 2024年春、物流業界ではいくつかの変化が起きました。

 1つ目が、トラックドライバーの時間外労働の上限規制です。2019年の労働基準法の改正により、時間外労働には上限が設定されましたが、トラックドライバーなど一部の業種については、他の産業と比べて長時間労働が多く、かつ運転手も不足しているなどの理由から、適用が5年間猶予されていました。

 この猶予期間は、2024年3月に終了し、4月からはトラックドライバーであっても、時間外労働を年間960時間に収めるというルールがスタートしています。

 トラックドライバーの時間外労働の上限規制は、労働時間も短くなるため、日本の輸送能力が不足する恐れがあります。公益社団法人全日本トラック協会の輸送能力が、2024年には14.2%不足し、2030年には34.1%不足する可能性があるというデータを公開しています。

 

 こうしたトラックドライバーの時間外労働の上限規制に端を発する諸問題について、国や物流業界は「物流の2024年問題」と呼んでおり、輸送力が不足しないためのさまざまな対策をスタートしています。

 物流業界ではもう1つ、2024年問題に関連する大きな変化が起きました。それが、トラックの「標準的運賃」の引き上げです。

 標準的運賃とは、荷主(にぬし、物流業務の依頼主。荷物を送る人)が運送業者に対して正当な対価を支払うよう、国土交通省が価格設定の基準を明記したものです。運送業者が荷主と運賃交渉に臨む際の参考指標として活用することが想定されています。

 この標準的運賃は2020年4月に設定されましたが、2024年問題が社会的に取り沙汰されている現在、ドライバーの賃上げの原資となる適正運賃を収受できる環境の整備が急務として、2024年3月22日に改定されました

運賃は平均で8%値上げ、燃料費も1L100円→120円に…

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