オフィスあるある4コマ(第45回)
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公開日:2021.01.22
「経営力を強化したい」「オフィスの老朽化が目立つ」など、オフィスを移転する理由は企業によってさまざまです。ただ「オフィスを移転する場合は、ある程度の費用が必要になる」のは、多くの人が認識するところでしょう。
しかし、オフィス移転にかかるコストの具体的な内容については、意外に知られていないのではないでしょうか。そこで今回は、オフィスを移転する際のコストや、コスト削減のコツなどについて詳しく解説していきます。
オフィスを移転する際には、さまざまなコストがかかります。そのため、オフィス移転をするのであれば、計画的に準備を進める必要があります。ここでは、オフィス移転にかかるコストについて細かく分けて見ていきましょう。
・旧オフィスにかかる費用
新しいオフィスに移るときには、旧オフィスを解約しなければなりません。旧オフィスの解約時にも、当然ある程度のコストが発生します。例えば、原状回復工事です。これまで賃貸物件をオフィスとして利用していた場合は、解約の際に賃貸契約がスタートしたときと同じ状態に戻す必要があります。これは借り主に対する原状回復義務として、民法621条「賃借人の原状回復義務」によって明確に定められています。
しかしながら、退去時に借り主と貸主の間で原状回復義務をめぐってトラブルが発生するケースは非常に多いのが実情です。退去する際にトラブルが起こる理由としては、回復をする範囲に関して、借り主と貸主の認識に相違があるからといえるでしょう。
賃貸オフィスの原状回復としては、クロスやカーペットの張り替え、電話回線やインターネット回線の撤去、看板の撤去、クリーニングなどが考えられます。加えて、設備を増設・移設している場合は、退去時に元に戻す必要があります。
原状回復義務の範囲に関して、オフィスと住宅では異なるのが一般的です。退去するときには賃貸借契約書にしっかりと目を通して、契約時にどのような取り決めをしているのかをチェックし、無用なトラブルは極力回避するようにしましょう。
原状回復にかかる費用は、1坪当たり3万~5万円程度が一般的な相場です。旧オフィスが大型ビルにある場合は、原状回復に1坪当たり5万~8万円程度の費用がかかると見ておいたほうがよいでしょう。原状回復工事を依頼する業者は、ビルオーナーや管理会社が指定したところに依頼しなければならない場合が多く、この点は事前に確認しておくことがポイントです。
また、旧オフィスの賃料も必要です。例えば、解約日の前に新オフィスへの引っ越しが完了している場合でも、旧オフィスの賃料は当然発生します。旧オフィスの賃料や契約期間内にかかった水道光熱費などは支払うべきコストであるため、計画的にオフィス移転の準備を進めるようにしましょう。
ほかに、旧オフィスの不用品は処分したうえで新オフィスへの引っ越しをしたほうがスマートです。オフィス移転の際には、デスクやチェア、書類棚、ホワイトボード、電化製品などを処分しなければならないことがあります。これらを処分する場合は、それぞれ処理費用が必要です。廃棄物の処理では、4トン車1台分なら10万円程度の費用がかかります。事前に見積もりを取るなどしたうえで専門業者を決定しましょう。
・新オフィスにかかる費用
新オフィスが決まって契約すると、賃貸契約費用が発生します。賃貸契約費用とは具体的に、敷金や保証金、前払い賃料などのことです。オフィスの賃貸契約の場合、敷金は50坪以下なら賃料3~6カ月分、50坪以上になると賃料6~12カ月分が一般的です。ただし、大手ビルに入居する場合では、オフィスの面積にかかわらず賃料の12カ月分が敷金の相場となるケースが多くあります。
また、前払い賃料に関しては、賃貸契約の際に支払いを済ませます。この費用は契約開始月分の賃料に当たるもので、場合によっては日割り計算になることもあります。
その他に、新オフィスの内装工事費用も必要です。これから新オフィスで仕事をするのを想定して、新しいオフィスのクロスを張り替えたり、簡単な増改築工事を行ったりするのはよくあることです。内装工事の内容としては、建築工事や電気工事などが考えられます。オフィスレイアウトをはじめとする内装デザインにこだわると、その分工事費用は上がる傾向にあります。
・引っ越し費用
オフィス移転では、引っ越し費用も必要です。オフィスを移転する際には大型の什器(じゅうき)を新オフィスへ運ばなければならないことも多いため、引っ越し業者に依頼するとスムーズです。
引っ越し費用に関しては、社員1人当たり2万~5万円程度はかかると見ておきましょう。ただし、引っ越し費用は階段や通路の幅、エレベーターの有無、オフィス間の距離などによってもかかる費用は変わってきます。加えて、引っ越し業者は2月下旬~4月上旬が繁忙期といわれ、引っ越し費用が高くなる可能性があります。できれば繁忙期をずらして引っ越しを行い、余計なコストがかからないように計画を立てるようにしましょう。
引っ越し費用を極力抑えたいのであれば、社員が協力して作業を行う方法もあります。このやり方は、小規模オフィスや新オフィスに運ぶ荷物の量が少ないときに適しています。自分たちで引っ越しをしてしまうと、荷物を運ぶ際に共用部分を傷付ける恐れもあるため、このようなリスクを回避したい場合は特に引っ越し業者への依頼を検討しましょう。
・諸経費
オフィスの引っ越しには、新旧オフィスにかかる費用のほかに、諸経費も必要です。例えば、什器の購入費用です。オフィスを移転するタイミングで什器の買い替えを検討することはよくあります。また、新オフィスのデザインとこれまで使っていた什器の雰囲気が合わない場合も、「新しい什器に買い替えたほうがよい」と考えるのではないでしょうか。
新オフィスで使用するデスクやチェア、パーティションなどを新しく購入すると、その分費用もかかってきます。加えて、移転時にはパソコンやプリンターなどのIT機器を新規で購入する企業も多いでしょう。
ほかにも、移転告知費用も諸経費に含まれます。オフィス移転の際には、取引先や顧客に対して移転のお知らせをしなければなりません。移転告知では挨拶状の印刷、発送などの費用が必要です。これらに加えてオフィス移転時には、パンフレットや名刺、封筒なども、新オフィスの住所に変更したものを作り直します。
さらに、区官庁への届け出書類代書費用も必要な費用です。オフィスを移転する場合は、法務局や税務署、社会保険事務所などの機関に届け出書類の提出を行います。書類作成は行政書士などの専門家が手続きを代行することも多く、書類を一式そろえると10万~20万程度の費用がかかります。
オフィスの移転にはまとまった費用がかかります。そのため、コストを削減の具体的な方法についても理解しておきましょう。
・旧オフィスの什器類を新オフィスでも活用する
旧オフィスで使用していた什器類でまだ使えるものがある場合は、新オフィスでも活用しましょう。特に、旧オフィスで使っていたデスクやチェアなどと、新オフィスの内装デザインがマッチしているときには、今後も利用を続けるのを前向きに検討したほうが、諸経費の抑制につながります。
・不要な什器はリサイクルに出す
新オフィスで使わないと判断した什器類は専門業者に依頼して廃棄するのではなく、リサイクルに出す選択肢もあります。オフィスで使用する什器類は一定の需要が見込め、不要なら買い取ってもらうとよいでしょう。
・賃料を交渉してみる
周囲の物件と比較した場合で、新オフィスの賃料が高いと感じるのであれば、思い切って賃料を交渉する方法もあります。賃料を交渉するとなると、交渉材料が必要です。例えば、近隣にあるオフィスの賃料をチェックしたうえで貸主と話し合いをすると、賃料を下げてもらえることもあります。
・新オフィスの内装工事費を削減する
新オフィスの内装工事費は、工夫次第で削減できる可能性が高いといえます。オフィス移転に伴う内装工事をする場合、費用は1坪当たり10万~30万円程度が一般的な相場です。ただし、設備や内装デザインにこだわると、その分内装工事費用は膨らみます。
オフィス移転をする際、エントランスは企業の顔となるスペースであるため、デザイン性の高いものにしたいと考える人は多いでしょう。しかしながら、内装工事費を抑えるためには、デザインを極力シンプルなものにする必要があります。
また、内装工事にまとまった予算が取れない場合は、DIYをする選択肢もあります。社員同士で話し合ってオフィスのデザインを考え、材料選びから施工まですべての工程を行うと、内装工事費が抑えられるだけでなく、社員のこだわりが集約されたオフィスになるでしょう。
オフィス移転をすると、事業の拡大やコスト削減のほかに、社員のモチベーションが向上するなどのメリットがあります。しかし、オフィスの移転には大きな費用が発生します。オフィスの移転をする際は新・旧オフィスにかかる費用や引っ越し費用などを把握したうえで、計画的に準備を進めていくことが大切です。
オフィス移転をするのであれば、思い切って通信環境の見直しをしてみてはいかがでしょうか。NTT西日本の「IP電話(ひかり電話サービス)」では、事業規模に対応したさまざまなプランを用意しています。
IP電話(ひかり電話サービス)はフレッツ光を利用したサービスです。高品質な通話が可能であるのをはじめ、旧オフィスで使用していた電話番号を、一部を除き新オフィスでもそのまま使うこともできます。
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※ひかり電話のご利用には、「フレッツ 光ネクスト」「フレッツ 光ライト」、または一部の光コラボレーション事業者が提供する光アクセスサービスの契約・料金が必要です。0039等の電気通信事業者を指定した発信など、一部かけられない電話番号があります。停電時は利用できません。
※掲載している情報は、記事執筆時点のものです
執筆=大賀 悠輝
カフェ経営やフードインストラクターの経験・知識を活かして、飲食店開業や経営の基礎知識、食育関連など、幅広い分野で執筆をおこなうフリーライターとして活躍中。
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