ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2021.03.31
近年、新型コロナウイルスの影響でテレワークが一般的に普及し始めており、遠隔地におけるコミュニケーションの在り方も変化しつつあります。そんな中で、注目されている遠隔コミュニケーションの1つが電話会議です。電話会議は遠隔地の人々と電話を通じて会議を行うもので、インターネットが普及した今でも各企業で利用されています。
今回は、電話会議の概要からメリット、始めるための方法について見ていきましょう。
電話会議は固定電話網や携帯電話網などの電話回線を利用して、遠隔地の人々と音声のみで会議を行うコミュニケーション手段です。つまり、電話を利用した会議形態をさします。
電話会議は古くからある遠隔コミュニケーションで、企業における一般的な遠隔コミュニケーション手段といえるでしょう。通常の電話は1対1で通話を行いますが、電話会議は多人数同士でのやり取りだけでなく、3地点間でのやり取りもできます。
電話回線を専用の機器に接続すれば、ハンズフリーでの実施も可能となっています。
近年では、インターネットの高速化に伴いWeb会議やテレビ会議の利用頻度が増えましたが、電話会議はそれらと比べて仕組みがシンプルなため気軽に利用できます。大掛かりな設備投資も不要で、これからの新しい働き方を実現する手段の1つになっています。
電話会議にはその他の会議形態にはない独自のメリットが存在します。それらのメリットについて1つずつ見ていきましょう。
<手軽に始められる>
電話会議は電話さえあれば利用できます。そのため、新規に設備を準備する必要がなく、手軽に始められる点は最大のメリットといえるでしょう。使い慣れた電話機を使って会議を開始でき、Web会議やテレビ会議のように接続のための難しい手順やITリテラシーも不要です。
<会議資料に集中した進行ができる>
電話会議はWeb会議やテレビ会議と違って相手の顔が見えません。一見するとデメリットにも思えますが、手元の会議資料に集中できる、と捉えることもできます。また、音声のみのやり取りであるため、参加者が丁寧な説明を心がけることにもつながり「効果が出る」会議になる可能性もあります。
<低コストかつ安定した通信が実現できる>
Web会議やテレビ会議では専用の機器を準備しなければいけない場合があり、安定的な通信を実現するためにネットワーク環境も整えなければなりません。しかし、電話会議では電話回線を利用するため既存の環境のままで安定した通信が実現します。
コストを抑えつつ、安定した回線で通信を行うので、クリアな音声で遠隔地でも明確なコミュニケーションが実現します。
<緊急時の連絡手段として利用可能>
電話会議は緊急時の連絡手段としても利用可能です。電話会議では社内外の拠点に対して、一斉に電話をかけられ、災害発生時の帰宅指示や緊急ミーティングにも利用できます。災害時には、「すぐに連絡できる」や「どこにいてもつながる」といった機動性が重要視されます。電話会議はこれらを実現する高い利便性を持った遠隔コミュニケーション手段なのです。
実際に電話会議を始めるに当たり「どのような接続の種類があるのか」「具体的な参加の方法は?」が気になる人に向けて、接続の種類や参加方法について紹介します。
<接続の種類について>
電話会議の接続の種類としては、大きく「専用機を使う場合」と「アクセスポイントを利用する場合(電話会議サービス契約が必要)」の2つが考えられます。専用機を使う場合は、会議室などに専用機を設置して直接電話回線に接続して利用するものです。通常の電話と同じように相手先に発信し、専用機同士がつながり電話会議が始まります。
アクセスポイントを利用する場合は、参加方法によって2つに分けられます。
・ダイヤルイン(コールイン):会議参加者が指定の電話番号に電話をかける
・ダイヤルアウト(コールアウト):主催者が参加者を呼び出す
ダイヤルインの場合は参加者に対して電話番号(アクセスポイント)やパスワードの共有が必要になりますが、ダイヤルアウトの場合は不要です。また、ダイヤルアウトでは参加者の通話料もかからず、一斉配信する機能も利用できることから緊急時の連絡手段としても利用できます。
なお、ダイヤルアウトには会議サービスの招待メールにあるリンクをクリック(タップ)し、自分の元へ電話させて音声を接続する「コールミーバック」も利用できます。
<電話会議への参加方法>
電話会議への参加方法は、所定の電話番号に自らかけるか、主催者から電話をかけてもらうかの2択です。これは専用機を使う場合でも、アクセスポイントを利用する場合でも変わりません。ダイヤルインでの参加方法についてはもう少し詳しく紹介します。
ダイヤルインで電話会議に参加する際には、少なくとも次の2つの情報を事前に知っておかなければなりません。
・電話番号(アクセスポイント)
・パスワード
ただし、専用機を使う場合は通常の電話と変わらないためパスワードは不要です。アクセスポイントを利用する際には、電話をかけた先でガイダンスによりパスワードの入力が求められます。そのため、事前に主催者からパスワードの情報をもらっておきましょう。
なお、ダイヤルインにもいくつか種類があり、その種類によって参加者に通話料金が発生するかどうかが変わります。覚えておくとよいでしょう。
・ローカルアクセス:指定都市に設定された番号を利用するもの(東京03、大阪06など)
・ローコール:国に共通するアクセス番号を利用するもの(日本0570)
・フリーダイヤル:参加者の通話料金が発生しないもの(日本0120)
電話会議は遠隔コミュニケーションを実現する手段です。Web会議やテレビ会議とは違い、安定した既存の電話回線が利用できるため低コストで始められる場合があります。
加えて、会議用途だけでなく災害時の緊急時の連絡手段としても利用でき、テレワークなどの新しい働き方を実現する手段として注目されています。電話会議には複数の参加方法があり、用途に応じて最適な方法を選択するとよいでしょう。
なお、電話会議は固定電話網だけでなく、IP電話でも実現可能です。NTT西日本ではフレッツ光(FTTHアクセスサービス)を利用したひかり電話 (IP電話サービス)を提供しており、高品質な通話はもちろんのことお得で便利な機能が満載のサービスを用意しています。ただし注意点として、停電時には利用できません。また、0039等の電気通信業者を指定した発信など、一部かけられない電話番号があります。
電話番号はそのままで高品質な通話を実現するだけでなく、ネットワークソリューションの活用と効率的な通信で通信費のトータルコストダウンが期待できるサービスです。事業規模に合わせて、3つのプランが用意してあります。ぜひお気軽にご相談ください。
※掲載している情報は、記事執筆時点のものです
執筆=太田 勇輔
ネットワークスペシャリスト、情報セキュリティスペシャリスト保有。インフラエンジニアとして、官公庁や銀行などのシステム更改をメインに10年従事した後、IT関連ライターとして活動中。プログラミング、ネットワーク、セキュリティなどの解説記事を中心に執筆している。
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