ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2021.05.21
前回の記事で1年半前に新しい暮らしの場所を探し始めたと書いたが、それ以前から折をみて土地探しはしていた。というのも、静岡に住む両親が、山梨への移住を希望していて、私たちは両親のための土地探しに協力していたのだ。両親の移住計画は、いろいろとあって進まなかったが、その経験のおかげで、この辺りの土地の価格帯や地勢などに少しは詳しくなっていた。
半年後には子どもが生まれるというタイミングで、なるべく早く新しい生活をスタートさせたかった私たち夫婦は、土地だけではなく中古住宅も合わせて探すことにした。土地を購入しても、それから家を建てるとなると、どんなに急いでも半年以上はかかってしまう。それに比べて中古住宅なら、引っ越しをすれば、すぐに住み始められるのが魅力だった。
不動産業者のWEBサイトや不動産の情報サイトをチェックし、現地公開されている物件は、Googleマップなどの地図サイトで周辺の学校やスーパーの場所などを確認。よさそうな場所が見つかったら不動産業者に連絡して、現地を見学させてもらった。たまには両親も来て、ドライブがてらいろいろな場所を一緒に見て回った。中古住宅の間取りを見ながら、ここは子ども部屋、ここは寝室、ここは仕事部屋などと想像するのが楽しくて、毎晩サイトをチェックし、そして毎週のように現地へ家探しに出掛けて行った。
私たちの希望する条件にピッタリと合う家や土地はなかなか見つからなかったけれど、いつかはイメージに近い物件に巡り合えるだろうと気楽に考えるようにして、探し続けていた(どのようなポイントで物件を探したかは、次回に書こうと思っている)。
そんな私たちが焦りを感じ始めたのが2020年3月のこと。新型コロナウイルス感染症で世間の緊張感が高まる頃、目星を付けていたいくつかの物件が、次々と「売約済み」になっていった。特に中古物件は競争が激しく、問い合わせると「先週、売れました」とか「昨日、契約だったんです」などと言われ、がっかりすることが多くなった。
スーパーからマスクやトイレットペーパー、食品がなくなったり、外出自粛の機運が高まる中、危機感を持った首都圏の人々の間で「プチ移住」が増えているということがニュースになったりもした。不動産業者に聞くと、問い合わせが通常の3倍以上に増加し、長い間売れなかった中古の家も急に売れたという。
実際に、認定NPO法人「ふるさと回帰支援センター」が発表した2020年の「移住先ランキング」(https://www.furusatokaiki.net/topics/ranking_2020/)によると、山梨は静岡に次いで、全国2位の人気。山梨、静岡はアクセスが良いうえ、首都圏から遠過ぎず、近過ぎず、ちょうどよい距離だし、気候も比較的穏やかとあって移住先にいい場所なのだろう。危機的状況に陥ると移住熱が高まるようで、不動産業者によると、このようなことは、2011年の東日本大震災の直後にもあったという。
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執筆=小林 千穂
山岳ライター・編集者。山好きの父の影響で、子どもの頃に山登りをはじめ、里山歩きから海外遠征まで幅広く登山を楽しむ。山小屋従業員、山岳写真家のアシスタントを経て、フリーのライター・編集者として活動。『山と溪谷』など登山専門誌に多数寄稿するほか、『女子の山登り入門』(学研パブリッシング)、『DVD登山ガイド穂高』(山と溪谷社)などの著書がある。現在は山梨で子育てに奮闘中。
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ココロ踊る!山麓生活のススメ