ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2021.08.20
朝起きたら、庭の小さな菜園へ行って野菜を収穫。そして色とりどりのシャキシャキ野菜を使って食事の準備をする……。土いじりをして、自然の恵みを感じられる暮らしに憧れている私。その1つとして家庭菜園をするのが、長年の夢だった。手に入れた山麓の土地で、まずやってみたかったのが畑作り。ちょうど季節は春。野菜の栽培を始めるのにピッタリの時季だ。
とはいっても、数年前にベランダでミニトマトやキュウリをプランター栽培したことがあるくらいで、畑作業の経験や知識はほぼナシ。まずは書店で「家庭菜園の始め方」といった、初心者向けの本を数冊買って、勉強するところからスタートした。いずれは、旬の野菜はスーパーで買わずに、自分で育てたもので賄いたいと思っている。地産地消よりもっとコンパクトに、自分で作って自分で食べる「自産自食」が目標だけれど、さて、うまくいくだろうか。
家庭菜園を始めるにも、道具がなくては何もできない。今、家にあるのは、プランター栽培をするときに買った小さなシャベルが1つだけ。書店の次は、ホームセンターへ行って、スコップと三本鍬(くわ)を買ってみた。これで野原を耕して、畑のスペースを作ろうと思う。
作業の日は両親も手伝いに駆けつけてくれた。購入した土地の南側を畑に使うことに決めて、くわを振り下ろす。以前、畑として使われていたからか、もともとそのような地質なのか、30cmほど掘っても小石ひとつ交じっていない。畑にピッタリの土だと思った。
だけど、くわが気持ちよく入るかといえば大違いだった。芝やササ、ススキなどが広く根を伸ばしていて、それを取り除くのに思いのほか苦労する。特にササは、地中深くで固い根がつながっている。スコップで土を掘り起こし、根を切る作業がキツイ。ススキも難敵で、根が深く張っていて、スコップすら刺さらない。そこでくわの刃を振り入れてテコの原理を使い、力ずくで引き抜こうとしたら、買ったばかりのくわの刃があっさりと曲がってしまった。トホホ……。
肌寒いくらいの気候なのに、夢中で作業するうちに大汗をかき、気付いたら手にはマメができていた。大人4人が交代で休みながら作業して、2×4mほどの区画を耕すのに丸1日を費やした。私が抱く、のどかな家庭菜園のイメージからは遠く、重労働の開墾そのものだ。でも、できたばかりの小さな畑にジャガイモを植えると、夢のかけらを手に入れた気がして、充実感に満たされた。
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執筆=小林 千穂
山岳ライター・編集者。山好きの父の影響で、子どもの頃に山登りをはじめ、里山歩きから海外遠征まで幅広く登山を楽しむ。山小屋従業員、山岳写真家のアシスタントを経て、フリーのライター・編集者として活動。『山と溪谷』など登山専門誌に多数寄稿するほか、『女子の山登り入門』(学研パブリッシング)、『DVD登山ガイド穂高』(山と溪谷社)などの著書がある。現在は山梨で子育てに奮闘中。
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ココロ踊る!山麓生活のススメ