ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2021.09.17
家庭菜園を始めたら、育ててみたかったのが落花生。花が咲いた後に子房が土に潜って実ができるという生態がちょっと変わっている。秋にはいっぱい収穫して、香ばしく、食感もいい落花生をビールのおつまみにするのが楽しみだけれど、栽培はそんなに甘くはないようで……。
畑の一区画すべてを落花生にしようと、少し欲張って種の小袋2つ分(約40粒)の種を育苗ポットに植える。畑に直接まけるのだが、発芽の様子も毎日観察したかったので、苗をベランダで育てることにした。落花生の種として売られているのは、ピーナツとして食べる部分。薄皮が付き、乾燥して少しシワシワしている種に土が2〜3㎝かかるように植え、水をたっぷりやって発芽を待つ。
植えてからは毎朝、芽が出るのは今日かな、明日かなと見守るのが楽しい。水が切れないように、土の表面が乾いたら水やりをしながら10日ほど過ぎた。でも、芽が出る気配はまったくない。
2週間たっても変化がないので、芽が出る前に水のやり過ぎで腐ってしまったのでは?と心配になり、割り箸の先で種を植えた辺りをそっと掘り返してみた。すると土の中から、白くて太い根が出始めた種がコロンと出てきた。これは発芽の邪魔をしてしまった!と、慌てて埋め戻す。それから数日して、あちこちのポットから芽が顔を出し始めた。水を吸って一回り大きくなったピーナツ自体がそのまま双葉になり、その間から緑色の本葉が顔をのぞかせていてかわいい。
芽が出てから1週間もすると、丸い本葉がしっかりと開き始めた。いくつかの種は不発だったけれど、それでも30数本の元気な苗が育った。
種を植えてから約1カ月半、本葉が3、4枚になった頃、いよいよ畑に定植する。よく耕して、土をフカフカにした畑の1列に約10本、それを3列植えた。見渡してみると、家庭菜園というよりは、ちょっとした農園のようでうれしい。
定植した翌週に行ってみると、苗はしっかりと根付いて、どれも一回り大きくなっている。ここまで育てばひと安心。秋には1株から30個ぐらいの落花生が収穫できるらしく、30株あればかなりの量が収穫できそうだ。掘ったばかりの落花生を塩ゆでにして、ビールのおつまみにしたらどんなにおいしいだろう。よく乾燥させて保存し、冬はストーブに当たりながら、ポリポリと香ばしい煎り落花生を食べるのもいい。バターピーナッツにしたり、ハチミツ漬けで保存したりするのもいいかもと、想像するだけで楽しくなる。
ところがその次の週末、畑へ行ってあぜんとした。さらに成長しているに違いないと思っていた落花生だが、植えたはずの区画に苗が1本もないのだ。
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執筆=小林 千穂
山岳ライター・編集者。山好きの父の影響で、子どもの頃に山登りをはじめ、里山歩きから海外遠征まで幅広く登山を楽しむ。山小屋従業員、山岳写真家のアシスタントを経て、フリーのライター・編集者として活動。『山と溪谷』など登山専門誌に多数寄稿するほか、『女子の山登り入門』(学研パブリッシング)、『DVD登山ガイド穂高』(山と溪谷社)などの著書がある。現在は山梨で子育てに奮闘中。
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