オフィスあるある4コマ(第45回)
ホテルでWi-Fiがつながらない原因
公開日:2022.01.21
冬の冷え込みが厳しい八ヶ岳山麓の生活で、重要な働きをしてくれるのが暖房だ。私たちは新居に、憧れのまきストーブを取り付けることにした。でも、問題は燃料となるまきをどうやって集めるかで……。
暖かにゆらぐ炎、どこか懐かしい木の燃える香り、そしてまきがパチパチとはじける音。たき火をボーッと眺めているだけで、不思議と心が落ち着いていく。キャンプなどで火の暖かさや癒やし効果を実感していたこともあって、新しい家ではまきストーブを囲む生活をしたいと設置することに決めた。
でもまきストーブには大量のまきが必要となる。それをどうやって調達するかが問題だ。知人に聞いたところ、業者からまきを購入すると、一冬分で数万円かかり、石油ストーブの燃料代よりも割高になるという。太陽熱を暖房として利用するシステムを採用した新しい家では(本記事第7回『私たちらしい家づくり』参照)、太陽が出ない日の補助としてまきストーブを使うことを想定しているためまきの消費量は多くないと見込んでいるけれど、それでもなるべく出費は抑えたい。
購入する以外に、どこかで手に入らないだろうか……と考えていたある日、偶然に山梨県のホームページで「伐採した木を無料で差し上げます」という告知を見つけた。飛びつくように案内を読むと、山梨県中北建設事務所(https://www.pref.yamanashi.jp/ch-kensetsu/)では、河川の管理をするうえで支障となる木を伐採しているそう。それをまきの原木として自由に持って行ってよいらしい。木は2mほどの長さに切りそろえて河川敷に集めてあるという。こんなにありがたいことはないと、早速丸太を運ぶ作戦を考えた。
木の配布は11月のある平日の朝に開始された。複数ある配布場所のうち、新しい家から近い河川敷へ行く。夫はどうしても仕事を休めなかったので、私の両親を呼んで木の運搬を手伝ってもらうことにした。わが家の車は中型のSUV。親の車はミニバンである。たくさんは運べないが、2台とも後部座席を倒せば、10本ぐらいは持って帰れるだろうと考えた。
当日、開始時間に両親と待ち合わせをし、配布場所へ行ってみて驚いた。どうやら原木の無料配布は毎年恒例のようで、勝手知ったる地元の人たちが、軽トラで列をなして河川敷に入っていく。会場にはすでに数十台の軽トラックが止まっていて、積み込みの作業をしていた。プロかと思うほど手際よく丸太を運び、早くも荷台がいっぱいになっている車もある。
乗用車で来ているのは私たちぐらいだ。雰囲気に圧倒され、様子をうかがいながら車を奥へと進めた。なんだか軽トラの人たちに「素人がやってきたぞ~」と思われているようで気恥ずかしく(実際は誰もそんなこと気にしていないだろうが)、配布場所の一番奥、邪魔にならない場所に控えめに車を止めた。
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執筆=小林 千穂
山岳ライター・編集者。山好きの父の影響で、子どもの頃に山登りをはじめ、里山歩きから海外遠征まで幅広く登山を楽しむ。山小屋従業員、山岳写真家のアシスタントを経て、フリーのライター・編集者として活動。『山と溪谷』など登山専門誌に多数寄稿するほか、『女子の山登り入門』(学研パブリッシング)、『DVD登山ガイド穂高』(山と溪谷社)などの著書がある。現在は山梨で子育てに奮闘中。
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ココロ踊る!山麓生活のススメ