ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2023.02.20
八ヶ岳山麓に移住をして1年目。日々、八ヶ岳や南アルプスの山々を見上げ、季節の変化を身近に感じながら「田舎暮らし」をしている。移住先を探していろいろなところを巡った末に、この土地を選ぶ決め手の1つになったのが、周辺一帯の里山らしい風景。山と山の間に広がる田畑が、のどかな雰囲気をつくっている。今回はそんな里山風景の1つ、麦畑について書こうと思う。
私たちの住む場所は八ヶ岳の南山麓にあって、一帯は南に向かって緩やかに下っている。日当たりがよく、山からの湧き水も豊かなことから農業が盛んだ。里には水田のほか、牧草地、大豆畑、レタス畑などが広がっている。そんな山里風景の中にポツポツと見られるのが麦畑。わが家のすぐ近くにも麦畑があって、季節ごとに目を楽しませてくれている。
12月、このあたりでは朝晩の気温が氷点下になる。広葉樹はすっかり葉を落とし、草も枯れて、色彩の乏しい冬景色だ。そんな中、麦畑はきれいな緑のじゅうたんとなっている。一面が真っ白になるほど霜が降りたり、強風に雪が舞ったりする日の寒さにも負けず、青々とした若葉を伸ばす。
そこで育てられているのは小麦で、米などの作物とは栽培のサイクルが違うようだ。秋に種がまかれ、冬から春にかけてゆっくりと生育する。冷え込みが増す2月にはさすがに葉の先が茶色く変色するけれど、それでも中心部は青々と元気で、3月になると春の日差しを浴びてぐんぐん成長し始める。
4月、この麦畑に姿を現すのがキジ。野原の草はまだ芽を出し始めたばかりのこの時期、少し草丈が伸びた麦は隠れ場所にもなって居心地がいいのだろうか。オスが赤い顔をチラチラとのぞかせながら、葉の間をのんびりと歩く姿が見られる。
5~6月、初夏の風に麦の若葉がそよぐ風景を眺めているうちに、気づくといつの間にか穂ができていて、麦らしい姿になる。そして梅雨時、他の植物たちが青さを増す中、麦畑は黄金色になり、収穫の時を待つ。梅雨の晴れ間、一気に収穫が行われる。その後は、再び種がまかれる秋まで何も栽培されず、畑は休眠期間に入る。
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執筆=小林 千穂
山岳ライター・編集者。山好きの父の影響で、子どもの頃に山登りをはじめ、里山歩きから海外遠征まで幅広く登山を楽しむ。山小屋従業員、山岳写真家のアシスタントを経て、フリーのライター・編集者として活動。『山と溪谷』など登山専門誌に多数寄稿するほか、『女子の山登り入門』(学研パブリッシング)、『DVD登山ガイド穂高』(山と溪谷社)などの著書がある。現在は山梨で子育てに奮闘中。
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