ココロ踊る!山麓生活のススメ(第26回)自主的な防災・減災を考える

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公開日:2024.02.22

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 比較的自然災害が少ないといわれる山梨だけれど、私たちが住む地域は過去に大雨や大雪災害の歴史があり、地震を起こすといわれる活断層も確認されている。また、県の地震被害想定では、南海トラフの東側を震源域とするマグニチュード9クラスの大地震が発生した際、全壊する建物が6万棟以上、避難者14万人以上と見込まれていて、決して安全とはいえない(※)。大きな被害を引き起こした能登半島地震をきっかけに、改めて身の回りの災害対策を考えた。
※参照:山梨県地震被害想定調査結果(2023年5月26日発表)

役立つ道具を災害時にも使えるように

 登山を仕事にしている私の家には山の道具がたくさんあり、その中には災害時に役立つものが多い。例えばテントは、家が使えなくなったときの避難生活場所として使える。登山用テントは立てるのが簡単で、強風・降雪など悪天候にも強いのが利点。オートキャンプ用の大型テントは設営に時間がかかり悪天候には弱いが、居住性に優れる。どちらも足を伸ばして寝られるし、防寒・換気の面でも車中泊より良さそうだ。

 また、本格登山で使う大容量のザックは足元が悪い状況でも避難先へ荷物を運ぶのに便利だろう。厚手のビニール袋をザックの内側にセットすれば、給水用ポリタンクの代わりに水を運べる。クッキング用のバーナーやガス、ヘッドランプ、レインウエア、防寒着など、山で使う道具は軽くコンパクトなうえに高機能なので、いざというとき強い味方になるに違いない。実際、私は古くて使わなくなったザックに衛生用品や非常食、飲用水などを入れ、非常時の持ち出し用として玄関に置いている。

 自分の家にある他の山道具がいざというとき、本当に使えるのか、改めて考えてみた。まず、ここに引っ越す前のアパートでは、山の道具を玄関近くの部屋にまとめて置いて、普段から運びやすいように工夫していた。でも、今の家は収納の問題から、2階または屋根裏に置いている。これでは災害時に運び出すのが困難だ。

 そもそも火災が発生したら、家といっしょに山道具も燃えてしまい、持っていたにもかかわらず使えないことを後悔するだろう。そこで、今は屋外の物置にその一部を移して、家が被災してもある程度使えるようにしようと考えている。また、飲用水、非常食は物置を含めた家の内外の複数箇所に保管することも大事かもしれない。

防災・減災につながっている地域の奉仕活動…

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執筆=小林 千穂

山岳ライター・編集者。山好きの父の影響で、子どもの頃に山登りをはじめ、里山歩きから海外遠征まで幅広く登山を楽しむ。山小屋従業員、山岳写真家のアシスタントを経て、フリーのライター・編集者として活動。『山と溪谷』など登山専門誌に多数寄稿するほか、『女子の山登り入門』(学研パブリッシング)、『DVD登山ガイド穂高』(山と溪谷社)などの著書がある。現在は山梨で子育てに奮闘中。

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